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【オリンピック日本代表について】前園真聖独占インタビュー!

文/戸塚 啓



──それが一番のリスクですね。

「でも、本気で勝ちにいって、本気でメダルを目ざすなら、オーバーエイジを入れて強化しないと、いつまでも一緒だと僕は思うんですよ。オーバーエイジが直前まで合流できないのは、今回が初めてじゃない。これまでも、これからも同じ。結局はいつも同じタイミングなんだから、それに対する経験を積んでいかないと、いつまでたってもリスクのままでしょう?」

──なるほど!

「4年前の北京五輪は23歳以下のメンバーで臨んで、グループステージで敗退した。その結果を受けて、『このままじゃ世界では戦えない』とか『このままじゃいけない』と選手は考えて、海外へステップアップしていった。結果的に良い方向へ進んだけれど、僕の考えとしてはそれじゃ遅いと思う。それもいいんだけど、ちょっと、遅い。フル代表がワールドカップでベスト4を目ざすなら、五輪での成果が前提になる。そろそろ日本サッカーも、そういう状況になっている。五輪でベスト8、ベスト4入りするのが当たり前になれば、ワールドカップでもベスト8やベスト4の常連になっていけると思う」

──それでは、オーバーエイジを入れるとしたら?

「これはホントにね、色々考えると迷うところもあるんですけど、まずはゴールキーパーで川島(リールセ/ベルギー)。ここまで正GKを務めてきた権田(FC東京)が、悪いというわけじゃないです。ただ、このチームには精神的に苦しいところで声を張り上げたり、周りを鼓舞したりする選手が見えないな、と感じるんですね。川島は南アフリカ・ワールドカップに出場していますし、豊富な国際経験を持っている。最終ラインだけでなくチーム全体を見渡して指示が出せるという意味で、彼が必要なのではと」
【オリンピック日本代表について】前園真聖独占インタビュー!
──二人目は?

「最終ライン中央、センターバックに吉田麻也(フェンロ/オランダ)。ここはちょっと、不安を感じるポジションです。アジア予選では鈴木(新潟)と濱田(浦和)がレギュラーでしたが、濱田は所属クラブでゲームに出ていない。いわゆるセンターラインは大事なので、ここにも経験のある選手を入れたい。長友(インテル・ミラノ)が左サイドバックに入るのもいいと思っていたけれど、酒井高徳(シュツットガルト)が出てきたので、そこは問題がなくなりましたね」

──確かに、左サイドバックも不安を感じさせるポシジョンでした。でも、今年1月からシュツットガルトへ移籍した酒井高徳の急成長で、むしろ楽しみになりました。彼は23歳以下のロンドン世代なので、オーバーエイジでもありませんし。

「右は酒井宏樹(柏)で、左は酒井高徳。二人の酒井は楽しみでしょう。あとはもうひとりは、オーバーエイジじゃないけれど、予選には出場していない新しい選手として香川(ドルトムント)。左が清武(セレッソ大阪)、右が宮市(ボルトン)。2列目の彼ら3人を生かす選手として、1トップに3人目のオーバーエイジを入れたい」

──適任者は誰に?

「森本(ノバーラ/イタリア)を入れたいんだけど、所属クラブでコンスタントに出ていなかった。どこまでできるか、ちょっと計算できない。そうなると……もし入れるなら前田(磐田)。彼自身の得点力はもちろんだけど、2列目の3人をうまく生かせる。ここはチームの強みだから、1トップのキャスティングはすごく重要になる。前でしっかり起点になれて、ポジショニングも良くて、クロスの入り方もいい。ヘディングも強い。そう考えると、万能型の前田を入れるのがいいのかなと」
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