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世界各地から招かれる国際的セラピスト 奥田健次独占インタビュー【前編】



──僕が今回このインタビューにあたり、Web上でリサーチした中で、非常に不思議だったのは、その・・・好意的な反響しか無いっていうのが、ちょっと逆に僕はイヤで・・・
あのね、先日もそれで、番組制作の方とお会いして・・・。そうなんです。
9割方が好意的なんですよ。

──僕、その残りの1割を見つけられなかったんで残念なんですけど。
あ、そうですか。
逆にね、僕は読んでませんけど、2ちゃんねるとかは逆のようですよ。
ただ、僕は、そうだって言ったんです、そんなもんですよ、と。
ところが、今までいろんな番組を作ってきたディレクターやプロデューサーも、その2ちゃんねるでさえ一度見てくださいって言うんですよ。
病人みたいな人がね、誹謗中傷を書いてるヤツもおるらしいけど、そんなのは何をやっても何処へ行ってもおるじゃないですか。
ところが、その2ちゃんねるでさえ、途中くらいから“スゴイと認めざるを得ない”とか“こいつ、ホンモノや”って。
僕のことを(クサそう、クサそう)とするじゃないですか、イジって。
そやけど、途中で僕が給与所得者、つまり大学を辞めて借金して軽井沢にこういうのを作ったっていうことで、“コイツ、本気やで”って、だんだん2ちゃんねるでさえ変わっていったらしいですよ。いずれにしても、プロデューサーらからすれば、放送後の反響はとても好意的なんだったようです。
こんなのは珍しいって言ってましたね。

──説得力があるのは子どもの変化ですよね。
そうだと思います。実際に子どもを指導していて、子どもが変わるシーンね。あれは素人でも認めざるを得ない。むしろ、同業者のほうがもっと深く理解しないといけない部分があるんですけど、まあそれは同業者だからこそ素直に認めたくないところがあるようで。
まあ普通に見れば文句の付けようがない。あるとすれば僕の帽子くらいか・・・

──帽子ぐらいですよね。
それとか、“何や、そのファッション”とか、あとは“料金、高いやないか”みたいな。

──いや、そうなのかなぁ。
料金が高いって感じる人はいなくはないかもしれないですけど、そんなに高くは無いと思うんですよねぇ。

そうなんですよ。
プロデューサー達もね、そう言います。
実際のところ、『僕は東京の弁護士の最低基準より下くらいよ』って言ってます。
つまり、例えば、東京の弁護士を石川県の地方裁判所まで行って下さいって言ったら、往復の交通費プラス日当がかかる・・・。だって、その弁護士が東京の事務所を空ける分、東京での仕事がゼロなわけじゃないですか。
『専門家が一人出張するので日当5万円程度っていうのは、むしろ安いんですよ』というふうに言ってくれる人もいるんですけど、残念ながら世の中、パッと“50分5万円”って書いてあると、指導時間が50分だけど、僕の場合はそれに往復9時間掛けて、11時間掛けて、念のために前日入りして現地近くで宿泊して・・・。で、11時間掛けても5万円にしかならないし、いただいた交通費はそのまま交通費で消えていくじゃないですか。
で、他の仕事を断って合間に講演をやってとか・・・。そうすると人を雇えないですよ。僕のところのスタッフって、みんなボランティアですよ。軽井沢の合宿の時はパートを雇っていますが。
スタッフを雇うなら、もっと高く貰わないと仕事が成り立たないですよ。
スタッフを食わせなきゃならないから。
ボランティアスタッフの食事代くらいは出してますけどね。

──叩かれない理由として、ネットでもそう評価されるっていうのは、(あ、こいつ、儲けてないな・・・)っていうのが見えるんですよ、多分。
そうかなあ。どっちかというと、やっぱり額面だけ見て「高い」と言われることのほうが多いですよ。仕方ないと思います。こっちも意識してます。やはり払う側からしたら、それなりのお金を払っているわけですから、成果を上げないといけないというプレッシャーがありますよ。
ただ、さっきも言ったように払っている側が払っているまま、こちらの利益にはつながっていないということです。理性的な人はそれがわかるわけです。
僕はブログとかにはね、面白がって“5,000坪の宅地買いましたけど・・・”って言いますがね。先日のドキュメント番組のナレーションではね、大半の資金は銀行から借りて・・・って言ってましたが、本当にその通りなんですよ。
金銭的に余裕があるからじゃなくて、銀行から借金して・・・。これホントの話なんですけど、いろんな部分で僕がバッシングされないように、出てくる親御さんたちもバッシングされないように・・・。そういう制作サイドの配慮って凄かったと思います。

──そうですね。ところで、専門家としてのプライドみたいなものは?
専門家としては、まあブログとかは幾つか見ましたけど、ちょっと情けないのが多いなと。
申し訳ないですけど、“メジャーリーグ”と“草野球” の違いやと思ってます。
で、こっちは“メジャーリーグ”で、同じ様な仕事をやっている人らは金を貰っていても“草野球” にしか見えない人も多い。そういう人ほどブログなんかであれこれ評論しているんですね。

──同じ様な仕事とは?
例えば、ABA(応用行動分析学)とか発達臨床。

──手法とかプロデュースの仕方が・・・
ABAということが一緒でも。
その人が、たとえアメリカで資格や学位を取って帰ってきたような人でも技術はダメなんですよ。
マク○○○ドにしか見えないです。
子どもの教え方も・・・
そういう人がブログで発信していて“奥田先生のを見ました。でも、自分ならこうやります”って書いているらしい。
こっちからしてみたら呆れますね。ブログなんかに書かずに、学会で質問とか意見をぶつけてきたら良いのに。
例えばね、アイコンタクト。アメリカで学んできて、そこでのやり方はこうだったっていうだけなんですよ。
僕は違うんです。
アメリカからの標準的な方法のいくつかは文献やビデオなどで僕もやってみたけど、(これ、ちゃう! もっと高い技術がある!)って。僕は職人ですから、やり方を変えていったら(これだ!)っていう方法がありましてね。で、それが画面にちょっとですけど、実は出てるんです。
なのに、こういうプロとしてメシ食うてる人、ま、同業者ですね・・・。だいぶ年下やと思うんですけど、ま、年上も含めて“奥田先生のやり方、僕ならこうします”ってブログで書かれても。
アメリカに行って学んだ人が日本に帰ってくると、そういうことを言い出す人が昔から多いんですよね。むしろ、日本の技術の高さに気づける人のほうが少数派です。気づけるチャンスなのに、自分に何もない人に限って肩書きや経歴の凄さを全面に出すわけで。
だから、ちょっとね。教育とか心理の業界って、結果をどう出すかって、イチロー選手だったらマリナーズで打率がどれくらいやったとか、ヤンキースでどういうふうに打ってるか結果がハッキリ出やすいからグウの音も出ないじゃないですか。
ところが、教育っていうのは、もともと馬鹿にされる業界なんですよ。
だって、良くわからないでしょ? 『子どもは勝手に育つんちゃうん?』って言う人が今でもいる業界ですよ。

──それは“勝手に育つんちゃうん?”って言ってるのは一般の方ですか? 専門家ですか?
専門家ですよ。
素人でもいるし、親の中にもいるんですよ。
ところが、ホントにごく僅かですが優れた臨床をやってる方がいるんです。例えば、国立成育医療研究センターという大きな病院があるんですよ。名古屋とかにも病院があるんですけど、僕のことじゃなくて、そこにもブラックジャックな先生がいるんですよ。
アトピーなんか当たり前のように治しちゃうんですよ。
『アトピーなんて治せないほうがおかしいんじゃないの?』って言われます。
名古屋の医師なんかも、同業者の99.9%は『ダメだ』って言って、ご自身はどんどん治していくんですね。
スゴイって思うじゃないですか。だって、『アトピー治すなんて当たり前』って言ってホントに治せるし、他の医者に診せたって『治らないんです、ウチの子は』って象みたいな肌になってる子とかがいるわけです。
医者でもこんな差がすごくあるじゃないですか。
で、そういうスゴイ医者が僕の仕事の結果を見て『奥田先生、さすがです!』って言って、同業者に『魔法使いみたいな心理士です』と紹介してくれます。もちろん、そのドクターが「魔法使い」と紹介しても、僕が使っている職人的な技術の科学的な原理については全部ご存じなわけで・・・。
今回、親御さんが『魔法使いみたい』って番組の中で言ってますけど、医者も言うくらいの技術の違いを解ってない人ってどうなんでしょうね。そういう人は、自分自身は解っているつもりなんでしょうけども、解ってなさを解ってないからそうなるんでしょう。だから、好き勝手ブログにもTwitterにも書くんじゃないですか。
そういうのを見るとね・・・

人の評価って、そんなもんなんでしょうね。もう、いらないです、そういうの。評価されようなんて期待してませんもん。
前にバラエティ番組に出たときに・・・これはとても面白かったですけどね、9割はどうせアホなこと書かれると思ってたら、ホントに書いてるんでね。関係者がわざわざプリントアウトして持って来てくれました。そういう想定さえる批判とかもディレクターと打ち合わせしていた通りでした。ここのところは『餌付けか』って絶対書くヤツおるから、それはもう放っておいたらいいって。いちいち相手にしても・・・ね。読まないことが一番いいんでしょうけどね。プリントしたものを見たら、『餌付けか』ってそのままコメントしている人がいましたよ。笑っちゃうレベルです。そういうコメントする次元の低い人は、自分が外食に行くときに公園に行かず図書館に行かず、外食店に行くことを「餌付けられてるんじゃない!」とでも言うのかね(笑)。
そういうのはさておき、そんな9割のダメなのに紛れて『こんなイイこと書いてる人もいますよ』って、僕に気を遣ってくれてるのかも知れんけど、確かに結構まあイイ記事もあるというか・・・。

──イイ記事は専門家が書いている感じなのでしょうか?
いや、たぶん素直な人だと思いますね。専門家だと、どうしても思い込みや思い入れがあって、ありのままにファクト(事実)を見られないというか、妨げになっている可能性が高いんだろうなと。専門家でも、自然科学が専門の人とかは割と良い反応なんです。総じて人文系の高学歴はダメ(笑)。
要するにマニュアルがあるファーストフード店に今日からアルバイトに来た子にも教えられるシステムの大型チェーンのマニュアル式と、お客さんの顔を見て料理を考える料亭との違いが解りますかって。

──それって経験の差なんですか?
それは大きいですね。

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