高羽そらさんインタビュー
そもそも…体外離脱や明晰夢に対して目覚めたというか、興味を持ったきっかけは何だったのでしょう?
体外離脱に関しては、2009年のある日…寝ていた時に、いわゆる「金縛り」状態に遭ったことがあるんですが、その時、布団から頭だけ出して寝ていて体は動かない状態だったのに、手だけが布団を突き抜けて出ていた経験をしたことが最初でした。以降、そんな体験を頻繁にするようになって。「この体験はどういうことなんだろう?」と調べたら、同じような体験をしたことのある方々がいるということを知り、詳しく説明されている本が多くあることを知って読みあさりましたね。
それまでは体外離脱などとは無縁な生活だったのでしょうか?
子どもの頃、家の2階に寝ていて夜1階のトイレに降りていったら「百鬼」って言うんですかね…得たいの知れないものが行列していて…。怖くて怖くてこの話はしばらく誰にも話せなかったんですが、怖いけど知りたいという欲求になっていったので『うしろの百太郎』や『恐怖新聞』などの漫画とか、すこし成長したら『カルマの法則』など、幽霊やスピリチュアルの本をよく読んでました。思い起こせば、体験は幼い頃からしていたんですね。ただそれがどういうことなのかはわかっていなかった…。
幼い頃から、布石はあったんですね…。世の中にはスピリチュアルの世界を信じている人もいれば、信じない人もいると思います。ご自身の体験を発信するまでに、いろいろと悩みや葛藤があったかと思いますが…。
「人にできないことができることへの執着」が嫌でした。体験できる人がグループを作ってそうでない人との間に壁をつくっている。そういう私も、体験した当初は変な優越感がありましたから…。でも、特殊な世界を作って、そこはもう自己満足の世界でしかないと気づいたんです。「すごいやろ!」という気持ちを消したくなった。いわゆる「スピリチュアル」という世界から距離を置きたくなったんです。
そこから物語を書くことにつながっていった…?
そうですね。「体験した人とそうでない人との間にある壁を破るためにはどうしたらいいか?」ということを考えていったら物語の執筆に行き着いたんです。
『ゼロの物語』はどういった物語になっているのでしょう?
「夢」の世界を描いたSF冒険ファンタジーです。主人公の「ソラ」をはじめとした登場人物たちが「夢」に向かって苦難に立ち向かう話になっています。スピリチュアルということに抵抗がある方にも、普通に、物語として楽しんでもらえると思います!
最後に、この記事を読んでくれている方にメッセージをお願いします。
私は様々な体験をしてきたことで「人間は肉体だけじゃない。物理的世界だけじゃない」と思うまでに行き着きましたが、かといって、現実社会を一生懸命生きないと意味がないことは事実です。でも、日頃みる夢の中に、その実社会を豊かにするヒントがあるかもしれません。夢を見たら夢日記をつけてみてはいかがでしょうか。そこから見えてくるものがあると思うんです。そして、よろしければ『ゼロの物語』も読んでいただき、何かを感じてもらえれば幸いです。
「体外離脱」「明晰夢」などと聞くと、少し身構えてしまうところがあったのですが、お話を伺っているうちに、高羽さんがおっしゃる「壁」という偏った見方が崩れていくような感覚を覚え、終わってみれば、1つのファンタジーの世界を過ごさせてもらった気分になりました。物質世界とは違う世界の物語を、今後も続々見せていただきたいです!
取材・文/米田瑞余(C&E Store)
ご提供数 : 3名様
応募締切 : 4月21日(月)10:00まで