弁護士 竹森現紗 独占インタビュー
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弁護士としてスタートしたものの…
弁護士生活のスタートはどんなものでしたか?
医師を志そうと考えたこともあったため、弁護士になってからは、医療機関側の法務に携わりたいという気持ちが強くありました。医療訴訟などで患者側を弁護するという仕事もありますが、私としては、多くの患者さんがより良い医療を受けられるようになるには、医療機関の内部体制を整えていくことが重要だという思いが強かったからです。そこで、まずは当時同様の考えを持っている先輩弁護士がいた大手の渉外事務所に就職しました。
その事務所では一般企業における法務全般やM&A、渉外案件などを扱うチームに配属され、チームの一員として様々な業務にあたりました。毎日がとにかく忙して、深夜にタクシーで帰宅することも多々。思うように休みも取れませんでした。
チームで動きますから、時間などを自分でコントロールすることもできない。でも、未熟な自分はひとりでは何もできない…。さらに希望していた医療関係の仕事以外の仕事がほとんどで、だんだん目標を見失っていったんですね。チームをまとめられるだけの力が身に付くには10年はかかると思いました。そして、自分はあと10年もこの生活を続けられないと思ったので、転職することを決めたんです。
そして八代英輝先生の事務所に入られたのですね。
転職を決めたときに、ちょうど八代先生の事務所に求人があったんです。「チームとしてではなく、自分ひとりでひと通りの業務をできるようになりたいし、自由になる時間も欲しい…」それが転職で私がこだわっていたことでした。
先生のご厚意で事務所の机を貸していただき、『軒弁』(のきべん=法律事務所の一部を借りて、営業する弁護士。その法律事務所からの給与は原則として出ない)として、新しいスタートを切りました。
ここでは、自由な時間を楽しみながらも、弁護士会の法律相談を担当したり、個人のお客さんの仕事を受けて、裁判所に出廷したり、一から案件をこなしていくという、前の事務所ではできなかったような仕事を経験できるようになりました。さらに、仕事を離れて自由な時間を持つことで、自分自身も充電することができ、もっと仕事をしていきたいという意欲も増えていきました。
その後、世田谷での独立開業を経て、アリシア銀座法律事務所を開業されたのですね…。先生がお客様の相談を受けるときに心がけていることを聞かせてください。
お客様にとってより身近で相談しやすい場所を提供したいという思いから、銀座で法律事務所を開業することにしたんです。
アリシア銀座法律事務所では、企業のお客様の他に、家庭の問題、相続などをご相談に来られる個人のお客様も多いのですが、まずはご本人がどうしたいのか、何を目指したいのか、お客様の本心を理解することを大切にしています。初めて会う人間に何でも話すことができないのは当たり前のことですし、辛いことがあったり傷ついていたりすればなおさらです。話せたとしても控えめに伝えていたり、その時の感情だけを伝えてしまうこともある。実際に話していくと、本当の望みが違っていたりすることもあります。ですからじっくりとお話を聞いて、本心や望みを理解するんです。
「こんなことを話してもよいのかな?」とお考えになって遠慮がちに話される方も多いです。でも私たち弁護士には守秘義務がありますから、どんなことを話していただいてもOK。ざっくばらんにお話していただきたいのです。
その上で、お客様のご希望に沿う解決方法に導いていけるよう法的にどうすればベストなのかをご提案させていただいています。