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【SOCCER NOTE】小倉隆史 独占インタビュー

左利きの優れたストライカーが「レフティーモンスター」と呼ばれるようになったのは、この男の登場がきっかけだった。
小倉隆史さんである。
四日市中央工業高のエースストライカーとして冬の高校選手権優勝を果たし、1992年に名古屋グランパスへ入団した。
翌93年にはオランダ2部リーグのエクセルシオールへ期限付き移籍し、1部リーグから声がかかるほどの活躍を見せる。
帰国後は日本代表にも名を連ね、2005年までプレーした。
引退後はテレビをはじめとするメディアで解説者として活動するかたわら、サッカースクールなどでの指導に熱心だ。
また、Jリーグの監督に必要なS級コーチライセンスを取得しており、“現場復帰”も期待されている。

ベンゲルとの出会いが指導者を目ざすきっかけに

──現役引退後の小倉さんは、多方面で活躍をなさっています。サッカーの専門的な解説はもちろん、ゆったりとしたトークも見事ですね。「メディアに向いている」と言われることも、多いのではないですか?
小倉:「向いている」と言われることは確かに多いですが、現役時代の僕を取材していた方々は、「小倉ってあんなに喋るのか」と思われるかもしれません。自分で言うのもなんですが、若い頃の僕はぶっきらぼうでした。記者さんに何か聞かれても、「はい」とか「そうですね」と答えるぐらいで。当時に戻れるなら、自分を思い切り叱ってやりたい(笑)。未熟でした。

──それはちょっと、想像がつかないですね。
小倉:僕なりの理由はあったんですが……。高校選手権の優勝をきっかけに、自分の名前がとんでもなくひとり歩きをしてしまったんです。三重県鈴鹿市でサッカーばかりやってきた自分には、あまりに急激な変化で。それでちょっと、斜に構えてしまったところがありました。
【SOCCER NOTE】小倉隆史 独占インタビュー
──Jリーグ開幕前後は大変なブームで、取材は多いですし、どこへ行ってもファンに囲まれたと思います。小倉さんが身構えてしまうのも、無理はなかったでしょう。
小倉:でも、現役を引退してメディアで仕事をさせていただくようになったときに、思い切って自分をさらけ出して、好きなサッカーに携わっていこうと。昔から僕を良く知っている人は「そのまんまだね」と言ってくれるし、僕自身もストレスを感じることがない。話すことは嫌いじゃないですし、多少なりとも評価していただけるのは嬉しいですけれど、目標としているところはやはり現場です。

──現場とは、監督としてチームを率いることですね。小倉さんは現役当時から、引退後は指導者になろうと考えていたのでしょうか?
小倉:ベンゲル監督との出会いが、指導者を目ざすきっかけになりました。

──1995年に名古屋グランパスの監督に就任した、アーセン・ベンゲル監督ですね。過去2シーズン下位に低迷していた名古屋を、就任1年目にして強豪チームへ押し上げました。
小倉:衝撃的でした。監督とはこんなにチームを変えられるのか、と。そこから監督の視点で、チーム作りというものをとらえるようになりました。それは、良い点と悪い点があったかもしれませんが。
【SOCCER NOTE】小倉隆史 独占インタビュー
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