4月11日、SKE48・松井珠理奈卒業コンサートの夜の部となる「松井珠理奈卒業コンサート@日本ガイシホール〜珠理奈の卒業で何かが起こる!?」が、愛知県・日本ガイシホールにて開催された。
本来であれば昨年9月に開催予定だった卒業コンサートだが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から中止となっていた。卒業発表から約一年と二ヶ月。コンサート延期から約半年。SKE48最後の1期生・松井珠理奈のラストステージが『overture』と共に幕を開けた。ガイシホールに集ったファンが手に持つサイリウムがSKE48のイメージカラーであるオレンジ色に染まっていく。
オープニングを飾ったのは『ウッホウッホホ』。スポットライトに照らされ中央のステージに松井、江籠裕奈、熊崎晴香の3人が登場。自身を鼓舞するように力強く歌い出す松井はメンバーを呼び込み、熊崎も「みんな行くよ!もっと元気に!!」と煽りを炸裂させ、会場のボルテージを急上昇させた。また、この曲の見せ場でもあるゴリラ役は山内鈴蘭が担当。本番前に松井からゴリラ語を無茶振りされたという山内は、迫真の演技で期待に応えた。しかし、あまりの完成度の高さに「やりすぎだぞ!」と松井は笑顔をこぼした。続く『青春ガールズ』では歌割りを若手メンバーが担当し、爽やかな掛け合いをステージ上で見せ、『偉い人になりたくない』では、大場美奈の音頭でメンバーが「珠理奈コール」を行い、ファンは手拍子を揃えた。続いてBlack Pearlが『Change your world』をパフォーマンス。昼公演での初披露に勝る感情の乗ったパワフルなダンスで会場の視線を釘付けにした。
冒頭から勢いのある楽曲が続くセットリストに「ここからもっとぶっ飛ばすからね」とさらに気合を高める松井。呼応するように斉藤真木子が会場、配信の向こうの視聴者の熱量を爆上げし、一体感を高めていく。MC明けは昨日同会場で卒業コンサートを終えた高柳明音が登場し、“ちゅりじゅり”コンビで『TWO ROSES』(オリジナルは松井珠理奈と松井玲奈のユニット)をしなやかにシンクロしたダンスパフォーマンスで魅了した。歌唱後に高柳は「珠理奈さん今までありがとうございました」と感謝の言葉を松井に贈った。松井も言葉を胸の内に留めるようにそっと目を閉じた。続く『青空片想い』は松井のポジションを鈴木恋奈が務め、10期生と共にフレッシュなステージを届ける。さらに、卒業コンサートの事前番組で行われた投票企画で、セットリストに加えてほしい一曲として候補に上がった『アイドルはウーニャニャの件』をパフォーマンス。猫耳に猫語で圧倒的なアイドルステージで魅了した。合わせて、歌唱メンバーに加わっていた高畑結希のソロパートのあざと可愛さもあえて書き加えておきたい。さらに、歌い出しで会場の空気を一変させた『思い出以上』は井田玲音名がセンターを務め、江籠裕奈、北野瑠華とのユニットで激しいダンスの中に情感をにじませた。
ここからは“天使パート”として、天使の名が付く楽曲が歌われた。松井から“釣り師”の才能を見出されている平野百菜をセンターに太田彩夏、大谷悠妃で『天使のしっぽ』を、対照的な『黒い天使』をBlack Pearlのメンバーである水野愛理をセンターに、末永桜花、上村亜柚香の7D2のユニットがそれぞれ披露。ダンスよりも歌や動きの表現力を求められるだけに、若手メンバーの可能性を垣間見るパフォーマンスだ。
企画MCのコーナーが明け、スポットライトを浴びながらステージに現れた松井。なんとバックステージ中のわずかな時間に髪をバッサリと切って登場し、『Parting shot』を青海ひな乃、野村実代、北川愛乃と共に熱唱した。コンサートタイトルにもある「何かが起こる!?」の伏線を回収したのだ。野村はパフォーマンス中に髪を切ったことに気付いたようで、「何かが起っちゃった!(髪型)何でも似合いますね。めっちゃかっこいいです!」と絶賛。メンバーにも知らされていなかったサプライズに北川は、「どうやって切ったんですか?」と尋ねるなどほっこりとした場面も見られた。そのまま松井はSKE48のオーディションで歌った倖田來未にちなみ、『キューティーハニー』をセクシーに歌い上げた。緩急の効いた前半戦と打って変わり、後半戦の幕開けはメンバー総出の『ダンスメドレー』で『UZA』、『GALAXY of DREAMS』、『Escape』をメドレーで披露。最近発表されたシングル曲ではMVとは別にダンスメインのパフォーマンス動画が公開されており、『FRUSTRATION』に至ってはYouTubeでの再生回数がMVを上回る程である。チームSでは公演に『ダンスメドレー』が取り入れられているが、今回は全員で披露するからこその大きな意味がある。「ダンスのSKE48」と言わしめる激しいパフォーマンスを、ファンは瞳に焼き付けた。ここからは松井のソロパートへとセットリストは進み、真っ赤に染まったホール内で『赤いピンヒールとプロフェッサー』を色気たっぷりにパフォーマンス。また、迫り上がるステージの上で『Who are you』をマイクスタンドを片手に艶やかな声色で披露した。
そのまま“センター”で『強き者よ』の歌い出しを声を震わせながら歌う松井。曲が2番へと進んだときステージ袖に卒業した1期生・小野晴香、桑原みずき 、佐藤実絵子、高井つき奈、高田志織 、出口陽、中西優香、平田璃香子、松下唯、矢神久美、山下もえ(五十音順)の11名が特別出演。そのまま松井へ向かって歩みを寄せ、中央ステージに1期生12名が集結。久々のステージでの再会に安堵の表情を見せる松井。同期と視線を交わしながら歌うサビの後半で、松井の目付きが変わった瞬間に全身に鳥肌が立った読者も多いはずだ。中でも、2013年の『SKE48春コン2013「変わらないこと。ずっと仲間なこと」』で卒業した桑原、高田、矢神が8年越しに同じステージで共演したことは、長年SKE48を見続けてきたファンにとっては歓喜の瞬間だったはずだ。
圧倒的な存在感を見せつけたステージに、鳴り止まない拍手がファンから贈られた。「卒業おめでとう!」と1期生のメンバーたちから松井へお祝いの言葉が投げかけられる。1期生の中で最年少メンバーだった松井。だが、いつの間にか1期生として後輩メンバーの上に立つ存在となっていた。だが、この時のステージ上ではかつて見られた末っ子の無邪気な笑顔を見せていた。
つかの間の再開を楽しみ次の曲の準備へと向かう松井を桑原が「もうちょっといようや!」と引き留めた。松井と桑原はダンスに対するストイックさで、結成当時から本気のぶつかり合いを見せ、互いに切磋琢磨してきた“戦友”だ。今のSKE48の土台はこの2人の精神が作ったと言っても過言ではない。予定外のトークゾーンに矢神は「いい意味で変わってなくて嬉しい。みんなも変わってなくて、感動がすごい」と笑顔を見せた。結成初期からグループの精神的主柱であった平田も「ステージに立って、珠理奈を見て泣きそうになっちゃった」と瞳を潤わせる。中西も「かっこよかったよ。裏でずっと見てたから」と、ステージをバックヤードから見届けていたことを明かした。同窓会のような和やかな雰囲気が、10年前に見られた公演のMCなどの場面を思い出させる。久しぶりのステージでもトークを回せてしまうのは流石の一言に尽きる。
また高田はバックヤードで桑原が「日高優月ちゃんや荒井優希ちゃんに急にダンスの指導を始めて、トイレの前でね」と桑原による抜き打ちダンスレッスンの様子を明かした。「踊ってって言ったら『いや、ここじゃあ』って言うから、それじゃまだまだやん。どんなところでも全力で踊れなきゃあかんよ」と言い放った桑原。持ち前のストイックさは健在だ。さらに高田は「ダンスメンバーの優月ちゃんに『いつ何時も踊れない時点で失格や!』って言ってたね」と、日高が愛のある厳しい言葉を桑原にかけたことも明かした。
また、この場に現役メンバーの一人としてMCに参加していた福士奈央は、一堂に顔を揃えた1期生に感涙し、「SKE48が好きで入って、、、ガイシコンサートも皆さんが卒業するところを見たかったんですけど、行けなくて、こうやって会えて嬉しいです」とファンだった頃の自分に帰りながら、8年越しの思いを感動の涙と共に伝えた。矢神も「ありがとうございます!」と笑顔で答え、歴史のあるグループだからこその良さが溢れている一場面だ。
白いドレス衣装に着替えた松井が再びステージに帰ってきた。次なるスペシャルゲストとして卒業生の矢方美紀を呼び込む。矢方は3期生としてグループ加入し、卒業直前はチームSのリーダーを務めていた。「みきてぃとは実は交流があって、一緒にご飯を食べに行ったり、ジムが一緒だったりとかね」と卒業後の関わりを明かした松井。矢方は「卒業してから4年経って、まさかステージに立てるとは思ってなかったので嬉しいです」とサイリウムが灯るガイシホールの光景を目に焼け付けた。「久々にみきてぃのギター聞きたいな?」と、松井のリクエストで矢方のギター演奏に乗せて『不器用太陽』をセッション。歌唱前には松井のフリで、現役当時の矢方のキャッチフレーズも飛び出し、会場からは拍手が贈られた。
2人だけのセッションを終え矢方は、「今日このステージに立つ事が全然想像できなかったんだけど、1期生が同じステージに出てみんなで喋ってるのを見た時に、当時のガイシホールのステージとかいろいろ思い出して」と現役メンバーだった頃をを懐かしみ、「時の流れは戻せなくて未来に進むだけだけど、こんなにたくさんの方がおじゅりを見守って温かい気持ちで応援しているので、私もいっぱい一緒にご飯を食べて、ジムに行ったりして、たくさん思い出を作ろう」と誘う。松井も「卒業したらいっぱい楽しい事をしよう」と約束した。「人生はこれからだからね。幸せになりましょう」と言った矢方の一言に、「これ以上の幸せはあるのかなって思っちゃうんだ。SKE48に入っちゃったから」と一筋の涙を流す松井。それを見て矢方も「みんな温かい気持ちで応戦しているから、これからも変わらず見守っていくよ」と優しく語りかけた。
卒業コンサートも終盤を迎えラストスパート。「私たち1期生の大切な曲を歌ってくれた子たちです!」と松井に紹介され、ステージに飛び出してきた6期生7人は『ごめんね、SUMMER』を歌い、再び会場のボルテージを上昇させた。振り返れば6期生がデビューして最初のコンサート会場が日本ガイシホールだった。出番も少なく『隣のバナナ』のバックダンサーでの出演しかなかった頃から、自分たちの声を、ダンスを、歌に乗せてコンサートで届ける光景は涙せずにはいられない。鬼頭未来の流暢な英語での紹介に驚かされた『賛成カワイイ!』は9・10期生によるパフォーマンス。コールアンドレスポンスの場面では青海ひな乃による痛快な煽りが炸裂。煽りのバトンは古畑奈和が引き継ぎ、両手を大きく挙げながら『バンザイVenus』を熱唱した。終盤にかけての怒涛の追い込みに胸の高鳴りが最高潮に達する。声を出せないのはもどかしい。だが、そんなことは気にならない程に夢中にさせてくれるパフォーマンスはSKE48でなければ感じられない。『大声ダイヤモンド』で松井はトロッコに乗車し、ステージの周りを一周。ファンからの「好き!」の気持ちを全身で受け止める。
本編最後のMCで、松井は今日のコンサートを振り返り、「いつもセンターで歌ってるとね、みんなのパワーを横からも背中からもすっごい感じるの。そのおかげで自分もパワーを出せているからすごい幸せだった。みんなが幸せにしてくれたんだね。ありがとう。嬉しかったよ」とメンバー達を見つめた。そして、ここで卒業生の佐藤すみれがゲストとしてステージに登場。昨年12月に結婚と妊娠発表をした佐藤は松井と互いに結婚と卒業の「おめでとう」を交わし合った。ここではビデオメッセージが会場のモニターに上映され、海外48グループをはじめ、STU48の瀧野由美子、AKB48卒業生の小嶋陽菜、高橋みなみ、北原里英、SKE48卒業生の大矢真那、宮澤佐江、松井玲奈が思い出話と共にこれからに向けたエールを寄せた。またプロレスラーのケニー・オメガからもビデオメッセージが寄せられ、「今回日本に行けなくてごめんなさい。最後のコンサート見たかったですよ。けど、アメリカから応援しています。いつかどこかでお会いしたいです。次に会うのはリングの中かな?」と激励した。
豪華な顔ぶれに感動する松井は、海外での仕事の際に海外48グループのメンバーに会いに行っていた事を明かし、「マニラとかは片道2時間かけて会いに行って一緒に踊った思い出もあって。私たちが名古屋で頑張ってる熱が伝わっていて、海外のメンバーもすごいパワーを持っているんですよ。それが本当に嬉しくて仲間なんだって改めて思ったし、私自身も落ち着いたらいろんな世界を見て、いろんなところに行ってみたいです」と話した。佐藤も「グループを卒業して、今度は自分のために時間を使ってね」と語りかけた。そんな佐藤は元々AKB48で活躍しており、2014年に「大組閣」によってSKE48に移籍してきた。「珠理奈がウェルカムの気持ちで受け入れてくれたから移籍の決め手になったので、それがなかったら今の私はないと思う。だから本当に感謝しています」と改めて感謝の思いを伝えた。
本編最後の曲は、松井が最後に参加したシングルの表題曲『恋落ちフラグ』を、参加メンバー全員で熱唱した。
アンコールは『神々の領域』からスタートした。1期生のために書き起こされたこの曲は、同期は増えずに減るだけという当たり前の事を何度も何度も教えてくれた。一人でステージに上がりマイクを握る松井は、こみ上げる思いに大きく深呼吸する。最後のサビでは微笑みながら歌い切り、この曲を歌える最後の一人としての役目を果たした。その姿を見届けステージに上がったのは桑原みずきと中西優香の二人だ。まっすぐに松井を見つめる二人の眼差しに答えるように弾ける笑顔を浮かべた松井は、『Glory days』をオリジナルメンバーの3人でパフォーマンス。さらに、本来はバックダンサーであるが3人の前で踊る大役を斉藤真木子、須田亜香里、都築里佳、江籠裕奈、古畑奈和、熊崎晴香が務めた。
今回のパフォーマンスのために事前に練習していたという中西は、「珠理奈とみずきが会うと、10分でみずきの方言が移っちゃうんだよね。(空いていた)時間が無かったように」と裏話を明かした。桑原も「3人でレッスンなんて久しぶりだからどうなるかなって思ってたら、バチバチにやったよね。『足の角度はこうやった!』みたいな。めっちゃ揃えたよね」と続けた。卒業してからブランクがあるにも関わらず、呼吸を揃えてパフォーマンスに命を賭ける姿を、SKE48を作り上げてきた張本人たちが情熱を持って後輩達へと示した。
「珠理奈さんは本当にとってもすごくて、何度手を伸ばしても届かない存在でした。そんな珠理奈さんと立てたこのステージ。心から幸せに思います」と珠理奈への思いを明かした斉藤。キャプテンの曲フリでエメラルドの卒業衣装を纏った松井は、卒業曲として作詞した『Memories ~いつの日か会えるまで~』を歌唱。ステージを囲うように見上げる後輩達へこの先のSKE48を託した。そして、『大好き』を日本語や英語、アジア圏の言葉で届け、『僕は知っている』では1期生から10期生まで、もう二度と揃うことのないメンバーで曲終盤の掛け声である「SKE48!」を高らかに叫んだ。
「とうとうこのときがやって来てしまいました」。いよいよ旅立ちの時。松井は穏やか表情でマイクを握る。「何をしゃべろうかは最後は決めていなくて、今日一日通してやって思ったことをしゃべろうと思ったんですけど」と話しながら、浮かんできた思いを言葉にした松井は、「ふつうだったらね、ファンの方に『ありがとう』とすごく言いたいんだけど、まずは、メンバーに支えられてきました」と一番にメンバーへの感謝を寄せた。
「話したことがない話かもしれないけど、10回目の総選挙をナゴヤドームでやったとき、もう前日のリハーサルからすごく悔しくて。『なんでナゴヤドームでやるのにSKE48の曲が全然ないんだろうな』とか、『いつもSKE48って損してるよな』とか、『なんでこんなに頑張ってるのに届かないのかな?』とか。そんなことを思ってたらリハーサルに出られなくて、、、一人で部屋で泣いてて」と、3年前の総選挙の知られざる秘話を明かした。
「たぶんね、『珠理奈がいない!』、『リハ始められない』ってなったんでしょうね。メンバーがね、全員部屋に来てくれてね。『なんでうちらの珠理奈さんがリハに行かないんですか!』『カッコいい珠理奈さん見せてくださいよ!」って、泣いてる私にみんなが駆け寄って来てくれて、みんなに引っ張られてナゴヤドームのステージのリハに立てて。みんながステージの下からいっぱい応援してくれて」と支えてもらった事を赤裸々に語った。メンバー達も当時を思い出し涙を流す。
「もし、あれがなかったらもっと早く倒れてたし、たぶん総選挙にいなかったと思います。それくらい、気持ちも体も辛かったです。でも、それを一番分かってくれるのはメンバーだから。 メンバーが私の後をちゃんとついて来てくれてたこと、いつのまにかメンバーに引っ張られきたんだなと思ったらすごくみんなが頼もしくて・・・」とメンバーの方を振り返る松井。号泣する須田を見つけて、「須田ちゃん泣きすぎだよ」と見つめ合い、互いに微笑みを交わした。「みんなが頼もしくて、だから卒業を決められました。みんなありがとう」とメンバーへ一礼する松井。卒業を決心した本当の理由を明かし、「やっと素直な気持ちでしゃべることができました。たまにはいいよね、泣いてもね」と話す松井の表情は笑顔へと変わっていた。
「みんなつらいことがあったり、嫌なことがあったり、なかなか自分がしたいことができない世の中になってきたりしていると思います。けど、信じれば、誰かがそばにいれば、ファンの皆様がそばにいれば、夢は叶う。13年間、皆さんがそう思わせてくれました。
だから、きっと今のつらい思いだったり、もやもやしている気持ちも、みんなで信じて、みんなで手を取り合って、心を繋いでいけば、きっと明るい未来になるんじゃないかなって。SKE48だけじゃなくてね、48グループ、アイドルグループ、この世の中、また明るい未来が来たらいいなって思いながら、私も明るい未来に向けて卒業したいと思います。
まず一番はファンの皆さま、そしてメンバー、そしてスタッフの皆様、そして関係者の皆様、そして一番近くで支えてくれた家族、みんなみんな、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします」と、打ち明けたかった本心を明かし、心の荷を解いた松井は客席へ向けて深々と一礼した。松井のスピーチにガイシホールだけでなく、配信から見届ける幾万人のファンがら「ありがとう」の思いが込められた拍手が贈られた。
鳴り止まない拍手とメンバーによる花道が松井を送り出す。そんなメンバー達の顔を一人ひとり見つめながら、「みんな楽しむんだよ。楽しむんだぞ。楽しめよ、未来を」、「泣き顔も可愛いし、笑った顔も可愛いし、怒った顔も可愛いし、みんな可愛いよ」、「大丈夫、大丈夫。なんかあったらすぐ呼んでね」と語りかけた。そして、「大好き!」、「幸せ!」、「ありがとう!」の言葉を残して松井はステージを降りた。
「珠理奈さんの後輩として、珠理奈さんの仲間として、この時間を一緒に過ごせたこと、本当に幸せに思えます」とコンサートを振り返った斉藤。ここで、松井がメンバー作詞した未発表曲の歌唱がアナウンスされた。「皆様にとっては初めて聴く楽曲だと思いますが、珠理奈さんが私たち残るメンバーに書いて宛ててくれたファンの皆様への感謝の気持ちを綴った曲にもなっています。皆様に届くように心を込めて歌いたいと思います。珠理奈さんも聴いていてください」と斉藤の曲フリで『オレンジのバス』を初披露した。
SKE48というグループを一台のバスに例え、松井のこれまでの経験と葛藤、メンバーやファンと共に困難を乗り越え、生まれる絆や喜びが歌詞に刻まれているようだった。同じ境遇を抱えるかもしれないメンバーへの支えのメッセージだ。
歌唱を終え、影アナウンスで熊崎は最後に語った。
「珠理奈さんが卒業されるのはすごく寂しいですが、卒業されても私たちの絆は変わりません!私たちも珠理奈さんが大切にしてきたこの“SKE48”というグループを、しっかり守って、もっともっと魅力的なグルーブにしていけるように頑張っていきたいと思います。これからも珠理奈さん、そして、SKE48を大好きでいてください。私たちも皆さんのことが大好きです。これからも応援よろしくお願いします!ありがとございました」
【セットリスト】
M00.overture
M01.ウッホウッホホ
M02.青春ガールズ
M03.偉い人になりたくない
M04.Change your world
M05.TWO ROSES
M06.青空片想い
M07.アイドルはウーニャニャの件
M08.思い出以上
M09.天使のしっぽ
M10.黒い天使
M11.ここにだって天使はいる
M12.Parting shot
M13.キューティーハニー
M14.UZA・GALAXY of DREAMS・Escape・赤いピンヒールとプロフェッサー
M15.Who are you?
M16.強き者よ
M17.不器用太陽
M18.ごめんね、SUMMER
M19.賛成カワイイ!
M20.バンザイVenus
M21.大声ダイヤモンド
M22.恋落ちフラグ
EN1.神々の領域
EN2.Glory days
EN3.Memories ~いつの日か会えるまで~
EN4.大好き
EN5.僕は知っている
EN6.オレンジのバス
情報提供元:WWSチャンネル
記事名:「【ライブレポート】SKE48 松井珠理奈、13年間のアイドル活動完全燃焼!心の荷を解き最後は笑顔で」