よしもとと大阪のライヴハウスがタッグを組み、定期的に開催しているイベント『NANIWA delic』が11/23東京、11/25大阪の2公演に渡って行われた。お笑いコンビ「ラニーノーズ」で活躍しているすざき(Vo/G)、けんと(Vo/G)を含む4人組のRunny Noizeと、6人組ガールズバンド・ORESKABANDによるツーマン・ライヴ形式で熱い火花をぶつけ合った。
初日の先攻を務めたのはRunny Noizeで、「Successor」から疾走感抜群の演奏で駆け抜ける。
この曲でリード・ヴォーカルを担当するすざきは曲中に煽ったりと、観客との一体感を意識したアプローチで焚き付ける。
続く「Nine Deadly Sins」ではけんとがリード・ヴォーカルを取り、よりキラキラした明快なパンク・チューンで攻めまくる。すると、すざきとてつや(B)はコーラス・ワークに回るなど、フロント3人が歌えるのもこのバンドの大きな武器と言えるだろう。
スカ長のリズムを用いた「Call dad mon」では観客もジャンプして騒ぐ光景が広がり、縦に横に揺さぶる多彩な攻めを発揮。 ここでけんとは対バンのORESKABANDに触れ、「俺はすごい昔から観てましたもん。
オレスカさんは『WARPED TOUR 08』(*全米46都市を回るパンク・フェス)に出てはって、今日はその話をたくさん聞きたい!」と興奮気味に語るシーンも印象的であった。それから「Plan to be poor」でフロアにサークル・モッシュが起こし、腕っ節の強いバンド・サウンドをこれでもかと響かせる。後半、BLINK-182やSUM41に通底するポップパンク調の「Bunny」をプレイ。
観客を手を上げ、ジャンプし、ハンドクラップする様々な反応を見せ、会場の温度をさらに急上昇。その熱を受け継ぐように「劇団ラニー」、「その上」と畳み掛けて鮮やかにフィニッシュ。ポップ・パンクを主軸にしつつ、分厚いヴォーカル&コーラスに加え、鼓膜を引っ掻き回すフレーズを織り込んだ曲調は聴き応え十分だ。笑顔で埋め尽くされた観客の表情が、Runny Noizeの痛快な音楽性を端的に物語っていた。
そして、後攻で登場したのは今年結成15年目を迎えるORESKABAND。「Going Away」で幕を開けると、iCas(Vo/G)の芯のあるヴォーカルが雄大なスケールを描き、早くも観客の意識を釘付けにする。またSAKI(Tp)、HAYAMI(Tb)、ADD(Sax)のホーン3人もステージ最前線で吹いたりと、耳目を奪う華々しいパフォーマンスでこちらを魅了。
スカのリズムを用いた「24カラット」でフロアを激しく揺さぶった後は、SPICE GIRLSのカヴァー「Wannabe」へ。緩急のギアチェンジも巧みに、キャッチーなノリのいい曲調で会場はヒートアップするばかり。
「次の曲が私が失恋したときに、ざまあみろ!って気持ちで書いた曲。フリーの女の子は強い」とiCasが言うと、「Free Now」へと繫ぐ。ストレートな気持ちを綴った大阪弁の歌詞はパンチがあり、親密かつハッピーなヴァイブスも最高で、シンガロングする観客が一気に増えていた。
中盤にはミドル・テンポの「Hands up girls」、「ライフイズビューティフル」と挟み、洗練された大人びたメロディ・ラインも秀逸。ラストはダイナミックなインスト・チューン「AZAMI Spirit」を経て、「Carry On!」で堂々と締め括る。
観客とコール&レスポンスして場内を活気づけ、爽快なパーティー気分を刺激する曲調に沸き上がった。
すかさずアンコールに応えると、このイベントのためにORESKABANDが書き下ろした新曲「ITOKASHI」を、Runny Noizeとコラボするスペシャル・バージョンで披露。iCasとすざきによる男女ヴォーカルで掛け合う場面もあり、賑々しい雰囲気の中で今日のツーマン企画は大成功のうちに幕を閉じた。拍手が鳴り止まない会場の反応を見ても、Runny NoizeとORESKABANDのガチンコ(&コラボ)対決に多くの人が満足したに違いない。
(荒金良介)
情報提供元:WWSチャンネル
記事名:「NANIWA delicでオレスカバンド×Runny Noizeが熱い火花!!」