スペースシャワーTVが「あなたの側で、生きてる音楽。」をコンセプトに毎回1組のアーティストをピックアップするライブ番組「SPACE SHOWER TV “LIVE with YOU”」。その第24弾アーティストとなるTHE ORAL CIGARETTESのライブが650名の招待客を招 いてShibuya O-EASTで行なわれた。
オーラルは今年2月に地元・大阪で初の大阪城ホール単独ライブを成功させるなど、いま急成長を遂げている若手ロックバンド。彼らが キャパ1,300人程の都内の会場でライブを開催するのはいまや貴重な機会だ。
ワンマンでO-EASTに立つのは2014年以来だという。 そのステージには、この日のためにデザインされたタペストリーや、豪奢なシャンデリアや柱、花束といった装飾が施され、中世ヨーロッパを 彷彿とさせるゴシックな世界観が作り上げられていた。
さらにバンド初の試みとして“赤と黒”を身に着けるドレスコードでお客さんも巻き 込み、これまで以上にバンドの世界観を作り込んだスペシャルなライブは、普段は披露されることの少ない楽曲をふんだんに盛り込んだ プレミアムな内容だった。
二段に組まれたステージ上段から、“赤と黒”の衣装に身を包んだ、あきらかにあきら(Ba/Cho)、山中拓也(Vo/Gt)、鈴木重伸(Gt)、中西雅哉(Dr)が登場すると、攻撃的なロックサウンドにのせて、激しく《嫌い》を連呼する「嫌い」からライブがスタートし た。
4年前のO-EASTワンマンでも1曲目に披露したバンドにとっては思い入れのある選曲だ。
続けて、「5150」や「気づけよ Baby」と いう彼らのライブに欠かせないキラーチューンを投下すると、「もっとやれるやろ!かかってこいや!」と、山中はフロアを挑発するように言葉を投げかける。
「今日は選ばれし者でしょ? 珍しい曲もどんどんやっていきます!」。
そんなアナウンスどおり、この日はレア曲が立て続 けに披露された。鈴木のギターがむせび泣くスローバラード曲「S-LOW」や、「春の歌を1曲」と紹介した「通り過ぎた季節の空で」、イン ディーズ時代に悔しさを吐露した「N.I.R.A」、初期のシングル『エイミー』に収録されていたカップリング曲「踊り狂う人形」へ。人間の負 の感情を隠さずに抉り出すオーラルの楽曲のなかでも、最もダークでディープな部分がO-EASTで浮き彫りになっていった。
サビで大合唱を巻き起こした「A-E-U-I」は、あきらと鈴木がステージ上段でソロプレイをみせると、中西のドラムソロに合わせて、山中も太鼓を叩くという新たなアレンジが新鮮だった。MCでは初の試みとなった“赤と黒”のドレスコードについて触れると、山中が鈴木に「俺 ら幼馴染みだけど、今まで隠してたことがある」と言って、「そのシャツ、俺も持ってる(笑)」と暴露。
その言葉に、鈴木がシャツを脱ぐよ うな仕草をして、フロアの笑いを誘った。
そして、「これからも俺らはあなたたちと一瞬でも長く一緒にいられることを願っています。よかった ら一緒に歌ってください」という言葉から、初めて山中が誰かのためを思って書いた曲であり、共に未来を生きていくために完成させた大 切な楽曲「ReI」を披露。O-EASTはそのバンドの意思に深く賛同するように、温かい大合唱に包まれた。
「ここからは飛ばして行きたいんですけど、ついて来れますか!?」という叫び声を合図に、いよいよラストスパートに向かっていく……と 思われたところで、まさかの曲順を間違えるというハプニングも。オーラルにしては珍しいアクシデントだったが、それもライブの醍醐味だ。 気をとり直して、あきらの強靭なベースのグルーヴで踊らせた「Shala La」、フロント3人がやんちゃに暴れ回ったメジャーデビューシングル 「起死回生STORY」で会場の熱狂を最高潮まで高めていくと、6月13日にリリースするアルバム『Kisses and Kills』から「容姿端麗 な嘘」がライブで初めて披露された。ダンサブルなビートと妖艶なメロディが絡み合うオーラルの新機軸だ。
そして、「カンタンナコト」ではフ ロアが一斉に激しく頭を振り、「狂乱 Hey Kids!!」ではレーザーの光がお客さんの頭上で激しく交錯、遂にラスト1曲へ。「スペース シャワーの皆さん、こんな素晴らしい場所を用意してくれてありがとうございます!」と感謝を伝えると、集まったお客さんを指して「これか らも俺らはこいつらと一緒に進んでいきます!」と誇らしげに宣言。
山中が最前列の柵の上に立ち、押し寄せるダイバーたちともみくちゃ になりながら届けたラストソング「BLACK MEMORY」で最高の瞬間を作り上げると、ギターの残響音を残してメンバーはステージを後 にした。
アンコールでは、再びメンバー全員がステージに登場すると、山中はマイクを通さず、「ずっとあなたたちと隣り合っていきますから」と語り かけた。「ひとりじゃ無理やで。ひとりじゃ絶対に無理。だから私ひとりでいい、俺ひとりでいいとは言わんでください。周りにいないのやったら、 俺ら4人を頼ってください。あなたたちがひとりぼっちにならないように、俺らはずっといますから。
それだけは覚えておいてください」と。そして、 その想いを楽曲へと託したロックバラード「トナリアウ」でライブは親密なムードに包まれて幕を閉じた。
この日、最初から最後まで真っすぐ にお客さんと対峙したTHE ORAL CIGARETTESの誠実な音楽と、真摯な言葉は、明日を生きる私たちに確かな勇気をくれるものだった。
なお、このライブの模様はスペースシャワーTVで6月16日(土)22:00よりオンエアされる。
情報提供元:WWSチャンネル
記事名:「【ライブレポート】THE ORAL CIGARETTESが650名限定の完全無料・招待制のプレミアムライブを開催!世界観を存分に表現しファンを魅了!」