ついウトウト…。「春眠暁を覚えず」の季節がやってまいりました。「春眠暁を覚えず」だからしょうがない…と言い訳にしている方も多いのでは。
科学的には、春になると暖かくなるため、交感神経より副交感神経が優位に働き、その結果、リラックス状態になり眠気を催すのだとか。対策としては、眠気を感じないようになるべく同じ姿勢を続けないこと。例えば、深呼吸や体を動かすなどして交感神経を刺激するのが効果的とか。
そんな睡眠のシーズンに、「睡眠」をテーマにした大人向けの絵本をご紹介させて頂きます。最近、よく耳にする「大人絵本」を体験するにはバッチグーな絵本でございます。まずは、こちら。
- たとえば、せかいが ゴロゴロだったら (講談社の創作絵本) 単行本
Amazon.co.jpより
「たとえば、せかいが ゴロゴロだったら」(作:高畠 那生)
タイトルからして大人っぽいですが、絵もストーリーも完全に大人向けの絵本でございます。オシャレでポップな絵で大人から絶大な人気を誇る絵本作家、高畠那生様のユーモア満載のナンセンス絵本でございます。オチが深いというか、大人が「そう来たか!」と感心してしまう大人絵本でございます。
内容は…
舞台は「ゴロゴロ島」。この島の住人はゴロゴロしながら日常生活を送っております。そして、誰もそのことを咎めたりいたしません。「ゴロゴロしていないで、〇〇しなさい!」と妻や親に怒られることはございません。例えば、この島では、「はやくゴロゴロしなさい!ちこくするわよ!」と、こんな会話が繰り広げられております。
会社や学校に行くのもゴロゴロゴロゴロ、さらに、会社や学校でもゴロゴロゴロゴロ…。これだけ聞いただけで、どんな内容なのか…見てみたくなるはずでございます。
高畠那生様の作品は、とにかく設定がユニーク、ゴイスーなのでございます。設定だけではございません。途中、モノクロでこの島の歴史も描かれております。(通常、子供向けの絵本では、時間軸が理解できないため時間を遡ったりすることはタブーとされております。)
そして、この絵本の最大の魅力は最後のチョベリグーなオチでございます。途中に張られた伏線も存分に活かされております。まさに大人向けでございます。
余談ですが、高畠那生様の御父上も絵本作家でございます。それも現役バリバリの人気絵本作家でございます。ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞も受賞されている高畠純様でございます。純様も数々の人気絵本を出されておりますが、その中から、睡眠をテーマにした絵本をご紹介いたします。
絵本の遺伝子がどのように受け継がれているのか是非、お確かめくださいませ。
- よいこはもうねるじかん 大型本
Amazon.co.jpより
「よいこは もう ねるじかん」(作:高畠 じゅん子 絵:高畠 純)
こちらの作品も大人が「やられた!」と思える展開、オチが用意されております。女の子の寝てる布団に次から次へと様々なものが入りたがる物語でございます。
ちなみに、作を担当されている高畠じゅん子様は、苗字は同じですが、親戚関係はまったくないとのこと。ただ、じゅん子様が通っていた絵本教室の恩師が高畠純様でございます。高畠という姓は絵本作家にむいているのかもしれません…。
布団が恋しいこの季節、是非是非、睡眠をテーマにした大人絵本を読まれてみてはいかがでしょうか…。
(文:N田N昌)
情報提供元:マガジンサミット
記事名:「「春眠暁を覚えず」のこの時期に読みたい、大人の睡眠絵本」