5月3日、株式会社ロッキング・オン・ジャパン企画制作のロックフェス「JAPAN JAM 2021」が千葉市蘇我スポーツ公園の特設会場にて開催された。SKY STAGEに登場したKANA-BOONのライブレポートをお届けする。
新型コロナウイルス感染症対策に伴い、例年とは異なる形となった今回のJAPAN JAM。2021年4月時点の政府のガイドラインおよび、千葉県の「イベントの開催制限等について」「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく協力要請等について(4月24日)」に基づいた内容での実施となった。
SEなしの無音の中からSKY STAGEに現れたのはKANA-BOONのメンバー。谷口鮪(Vo./Gt.)、小泉貴裕(Dr.)、古賀隼斗 (Gt.)全員が揃って出てきたところで「ただいまステージ!ただいまJAPAN JAM!みんな調子はどうですか!?」とオーディエンスに挨拶をした。マイペースな雰囲気の中で流れ出す1曲目は、軽快なロックサウンドが耳に残る『フルドライブ』。もっと自由にロックを楽しんでほしいという思いを込めて「心の中で歌えー!!」と叫ぶ谷口に呼応して、オーディエンスも体を揺らしリズムを取る。
『Torch of Liberty』を歌い終えたところで場内から拍手が沸き起こると、実は…と谷口から切り出されたネタは、自分の誕生日について。「えー、実は私、今日誕生日です。こんなにたくさんの人の前でライブができて嬉しいです。みんなも俺以上に楽しんでください。歌ったり叫んだりはできないけど、体は自由ですから!」声は出せなくとも体で自由に音楽を楽しんでほしいというメッセージとともに演奏された『ネリネ』『彷徨う日々とファンファーレ』と続く楽曲は、先が見えない状況の中でオーディエンスの背中をやさしく押してくれるような歌となったに違いない。
「ありがとう!まだまだ行くぞ!」谷口の掛け声に合わせて流れ出すギターのイントロで、場内の空気が変わったのは『シルエット』。ライブでも歌われることが多いこの曲、心に残るほんのりとした温かさやKANA-BOONの世界観がギュッと濃縮されたヒットナンバーだ。リズムに合わせてハンズアップや手拍子で盛り上がる場内に、思わず谷口も雄叫びを上げて気合を入れる。
「皆さん来てくれてありがとうございます。それぞれいろいろな事情を抱えてきてくれていると思います。よくぞ来てくれましたという感じです。今日、来てくれたことを全肯定します。」いつか近い未来に、これ以上にもっとすごいライブができるはず、それは今日この瞬間から始まっていると強く訴えかけながら「あとちょっと、お付き合いください。」と言葉を残して『バトンロード』を歌い上げていく。歌詞がはっきり聴こえるシンプルなメロディが印象的なこの曲は、タイトルにもあるように「次へ繋いでいく」というフェスへの想いに相通じるものがある。KANA-BOONのフロントマンである谷口が書く歌詞とメロディーが見事に融合している、そんな楽曲だ。そして終盤に歌われた『スターマーカー』の演奏最後のワンフレーズ「僕らの世界を広く」では、それまで降っていた小雨が止み、雲間から太陽が顔を出すという偶然のタイミングに遭遇した。
ラストの『まっさら』が流れる直前、「すごいよ!晴れたよ!」とKANA-BOONメンバーも大喜び。よく来たねという意味を込めて隣の人に拍手を送ってほしいと、今日ここにいる全ての人に感謝の気持ちを示した。太陽の光と青空がステージを照らす中、胸を打たれるような光景の中で歌われる躍動感あふれるロックナンバーは、きっと多くのオーディエンスの魂を大きく揺さぶっただろう。メンバー全員が輪になって呼吸を合わせ、そして最後にビシッとキメる全肯定ライブで、たくさんの感動を与えてくれた。
JAPAN JAM 2021
5月3日 KANA-BOONセットリスト:
M1:フルドライブ
M2:Torch of Liberty
M3 :ネリネ
M4: 彷徨う日々とファンファーレ
M5: シルエット
M6: バトンロード
M7: スターマーカー
M8: まっさら
情報提供元:WWSチャンネル
記事名:「【ライブレポート】KANA-BOON、『シルエット』『バトンロード』熱唱の全肯定ライブ<JAPAN JAM 2021>」