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Psycho le Cému(サイコ・ル・シェイム)、現実とゲームの世界を融合させたライブを配信!画像あり

6月26日

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新型コロナウイルスの感染が広がり、ライヴができない状態が続く中、たくさんのアーティストがオンラインライヴを試みようとしている。音楽ファンは未だ、オンラインライヴに対して期待と不安が半々といったところではないだろうか。そんな中、Psycho le Cémuが『勇者物語 外伝~未来をあきらめない日々~』と題した5回に渡るオンラインライヴをスタートさせた。その初日である6月24日、『Day,1 あきらめないSINGLE DAY』の模様をお届けしよう。

Psycho le Cémuと言えば、いわゆるヴィジュアル系の中でも、特に個性的な衣装や見た目をしたバンドとして記憶にある人も多いかもしれない。さらにまた、彼らがときに楽器を置いて、メンバー全員でダンスをすることを知っている人もいるだろう。ロックバンドという既存の枠におさまらず、エンターテインメントを追求するのがPsycho le Cémuだ。そんな彼らだけに、オンラインライヴというこの未知のライヴスタイルに対しても、貪欲に可能性を追求している。その意欲が溢れるライヴとなった。

海外での活動の様子や日本でのライヴ映像から、“僕たちの時間は止まったままだ”と、コロナ禍の現実世界を映し出すようなシーンへと流れていく。けれどもそこから「未来をあきらめない」という力強いメッセージ、さらに壮大な太古の世界のような風景が現れ、目の前に広がっていく。まるで映画のオープニングのような映像から、一冊のページをめくるように、いよいよ『勇者物語外伝』がスタートした。

目に入ってきたのは、ステージで位置につく5人の姿。楽器を持って、5人がステージにそろって立っている姿こそ、彼らにふさわしいとしみじみ思う。一曲目は、「クロノス」。やはり緊張感があるのか、みんなシリアスな表情を浮かべている。けれども演奏が続くに連れて、YURAサマから笑顔がこぼれだし、「道の空」の伸びやかなサビを、DAISHI以外のメンバーが口づさんでいるのがわかる。初めての経験に緊張はあっても、久しぶりのステージの感触をじっくりと感じているようだ。

「激愛メリーゴーランド」では、AYAとYURAサマが前へ。途中、YURAサマが「YURAサマ推し!」のSTICKITS(ライヴを配信したZAIKOで使用できる、投げ銭用のアイテム)の使いどころを指南するなど、オンライン上ならではのコミュニケーションを図っていた。メンバー一人ひとりがじっくり見られることもあり、ダンスで盛り上げるAYAとYURAサマに対し、プレイで魅せつつ、コーラスなどでも存在を発揮するLidaといった個性や、seekの素顔(?)の表情までもわかるなど、Psycho le Cému初心者にもそのキャラクターが楽しめるのもオンラインライヴの良さだろう。

そしてオンラインならではのお楽しみはさらにここから続いた。暗転の後、真っ黒の画面に目に飛び込んできたのは8bitの白い文字。昔懐かしのファミコンのゲーム画面だ。当時のゲーム音楽を彷彿させる、今から考えればチープなサウンド(AYA制作)も、逆に新鮮でかわいらしい。ここで繰り広げられるRPGで、時間を旅する勇者たち一行の冒険を伝えてくれるようだ。そこに現れたのはモンスター、銀狼。メンバー一人ずつがさまざまな技で闘いを挑み、ようやく倒したものの傷ついた5人。インドラの酒場で休むことになった…。

そこに映し出されたのは、5人がテーブルを囲む姿。背景は、ファンタジーの世界に出て来るような木造の店内の様子が広がっている。観客はごくごく自然に、ゲームの世界からリアル(?)の世界へと導かれていただろう。この画面は、おそらくグリーンバックの背景に5人が座り、酒場の背景の映像を合成しているのだが、これこそオンラインライヴでしかできない試みだ。ただし、メンバーはまだ慣れていないせいか、照れたような笑いを浮かべている。が、ファンにはそれもたまらないはず。

ここからは通常のライヴでいうところのMCタイムとなり、5月3日の結成記念日で、21周年を迎えたことの感謝の気持ちからseekが話し始めた。本来ならその日は、彼らの故郷である姫路文化センター大ホールでライヴを行う予定であり、さらにそれは、昨年5月3日から続いてきた20TH ANNIVERSARY PROJECTが、夢の舞台で華々しく締めくくられる日でもあった。

Psycho le Cémuは、決して順風満帆にこれまでの活動を続けてきたわけではない。それだけに、20周年を祝うプロジェクトが途中で絶たれてしまったことへの悲しみは、部外者には想像もできないほどのものだっただろう。けれどもそこで彼らはくじけることなく、『未来をあきらめない日々』を、オンラインライヴという新たなステージでもってファンに見せようとしたのだ。

という背景がこのライヴにはあり、ドラマチックにその想いを綴ることもできるだろうが、画面には単なる仲良しの5人組のようにお互いの話にツッコミを入れ、スベってるかウケてるかわからんと笑い合い、インドラの酒場という居酒屋で楽しく飲み会をしているような光景が映し出されていた。微笑ましくありさえするその光景だが、しっかり話の要点は押さえており、ただの無駄話にならないところもさすがだ。

そんな時間を経たからか、「未来少年×未来少女」で始まった後半戦は、5人とも表情がやわらぎ、すっかりリラックスした様子。この日は、シングルの曲だけを演奏したこともあり、ひとつひとつのメロディのキャッチーさをまざまざと見せつけられた。そのポップセンスといおうか、日本人が好みそうなキャッチーなメロディラインは、Psycho le Cémuの大きな武器であることに違いないだろう。

オンラインライヴならではの楽しみを追求していたこの日だが、個人的に一番ライヴ感を感じたのは「聖~excalibur~剣」だった。ドラマチックな曲調と、それを奏でるサウンドから、空気が緊張感をはらんでいくさまが画面のこちら側にいても感じられ、生でライヴを見るときのような、ゾクゾクする興奮を味わえた。もちろんライヴ会場の爆音を体で感じるサウンドとは異なるが、それでも確実に伝わるものはあるという確信めいたものを得た。

この日の演奏の最後を飾ったのは、もちろん「あきらめないDAYS」。いつもとは違うアレンジで、ゆったりとしたDAISHIの歌に合わせて、歌詞の字幕が流れていく。

まだまだ あきらめないで 未来を守りたいから
過ぎ去った時間は 戻せないけど
離れていても 僕らはそばにいるから
いつかまた 寄り添える日々を 信じて

これは、この日のために書かれた歌詞だという。「あきらめないDAYS」は、活動休止を経て、再び彼らが動き出し今へとつながる活動の最初に発表された楽曲。あきらめない日々を過ごしていけば未来へとつながるという彼らの信念は、彼ら自身はもちろん、ファンも誰もが厳しい状況にある現実の中で救いとなるところがあるだろう。

ステージの上を笑顔ではしゃぎ回る5人の姿は、バンドとしてまた新しい段階に進んだような、そんな逞しさを感じさせてイキイキとしていた。オンラインライヴ『勇者物語 外伝~未来をあきらめない日々~』は残り4日間。それぞれに趣向凝らした内容で、おおいに楽しませてくれるに違いない。そして未知のものだった初回に比べ、経験を活かしてどんどんパワーアップしていくはずだ。これまで彼らを応援してきたファンはもちろん、Psycho le Cémuってよく知らないという人も、彼ら自身が初めての表現方法を手にしたこのタイミングで、そのエンターテインメントに触れてみるのはいかがだろうか。新たな楽しみが待っているに違いない。


(文:Miyuki Murayama)


情報提供元:WWSチャンネル
記事名:「Psycho le Cému(サイコ・ル・シェイム)、現実とゲームの世界を融合させたライブを配信!」




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