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世界各地から招かれる国際的セラピスト 奥田健次独占インタビュー【前編】
世界各地から招かれる国際的セラピスト 奥田健次独占インタビュー【前編】
奥田健次(行動分析学者)Xアマゾン
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楽しい輪、痛い輪(行動分析学会、感想編)

パートタイム教授、奥田健次です(^^)

大学を超早期退職して、西軽井沢の廃校を買い取りました。そこで学校づくりをやっています。大学はパートタイムだけ。とか言ってたら、もう来週にはパートタイマーの集中講義を迎えることになります(^▽^;)

先週の行動分析学会では、役員なのでのんびりとしていられません。5分間の合間もなく会議の連続、その流れで最終日のシンポジウムでした。シンポジウム前後の記事は、この記事の1つ前、2つ前にあります。1つ前の記事のほうでは、誤記の修正と、少しばかり「阻止の随伴性」で考える新たなメリットについて述べました。

今回の記事は、もう少し、くだけ系。んー、でももしかしたら真面目系に展開しちまうかも。

われわれのシンポジウム、「『罰なき社会』を再考する」は、それはもう盛り上がりました。事前に島宗先生と「しろえもん」の動画をお見せしないといけませんねと話していたのですが、やはりそうでした。フルチョークチェーン(犬の首にショックを与えて首をチェーンで絞める道具)で、しろえもん君が「死人のようになるまで」何度も締めまくるシーンは、やはり聴衆は皆、ショックを受けていました。しろえもんの首へのショックは約40回。そのたび、見ているほうも痛々しいショックを受けました。

犬への厳しいトレーニングがあるってことは知識でしかしらないもん。いや、もしかしたら知識としても知らなかったのかも。正直、おれがそうでした。山本先生とお会いするまでは。

最後のほうで、山本先生が電気ショック首輪と本物のチョークチェーンのいくつかを、ジャラジャラと聴衆にお見せされて。時間も押していたので、おれ「昨日の瀬島先生の金の輪っかは幸せやけど、今日のチョークチェーンの輪っかは不幸ですな」と、初日夜のマジックショーに絡めてコメントしようとしたのですが、自重しました。

ところで「好子消失の弱化」について、誤った適用の一例を一つ。スライドを用意していたのに、最後のほうで時間が押してしまったために、島宗先生からのご質問には別のことを回答してしましました。

その例の一つはこれ。

「ある女子高生が、テストの結果が悪かったという理由で、母親に携帯電話を没収されてしまったという。子どもの大切な物、子どものプライバシーにかかわる物を取り上げたり、脅したりする親は完全に間違っている。親の権威によって、携帯電話を取り上げるような行為は、教育ではない。効果てき面だからといって、そういうことを続けてるのは馬鹿げている。」

上記のようなのは、しばしばある批判です。

でも、これって全然ちがう論点からの非難になってしまってる。これでは「体罰はもちろんダメ、懲戒もダメ」ということになってしまう可能性がある。

上記の例の場合に、本当に問題といえるのは親が携帯電話を取り上げたことではなく「テストの結果が悪かったから」ということへの懲罰として、携帯電話を取り上げたことにある。「テストで悪い点数を取る」というのは、まるで行動のようだがそうではない。行動の結果である。

好子を取り上げるのであれば、それは行動の直後でなければならない。

例えば、この女子高生が母親に「そろそろテスト勉強を始めなさい!」と言われたことに立腹し、「うるせえババア、失せてろ!」と暴言を吐いたとする。その次の瞬間、母親がこの娘の携帯を取り上げて、真ん中で真っ二つに割って捨てるというのは、行動に随伴しているので効果があるかもしれない(まあ、こんな暴言を娘に言われる家庭であれば、こういうことを急に思い切ってやるのは非常にリスキーだけどね)。

講義で使用しているスライドだけど、タレントの「えなりかずき」さんの母親が、小学6年時代のえなり君が暴言を吐いたときに、ドラえもんのマンガ全巻セットのうち1冊だけ取り上げて、真ん中で破って捨てたというエピソードがあった。きちんと行動に随伴しているでしょ。それ以降、えなり君は母親に暴言を吐かなくなったし、そういうことをしてくれた母親を恨んでいるわけでもない。

試験の合否とかテストの結果は、行動ではない。

行動でないものに、あたかも行動であるかのように罰を与えるとか携帯電話を奪うとか、そういうことはやってはいけない。行動に随伴させていないから。関係を悪くするだけ。副作用のほうが目立つだろうね。

しかし、世間一般の理解ってこんなもんでしょ。世間一般がやってることって、こういうもんじゃないか。

家庭や学校、職場や地域社会で、こういう間違った適用(乱用)がずっと続いている。「行動理論」ってのを本を数冊ほど読んだ程度で間違った適用を促進している人が、昔も今もいるから、こりゃ良くならんね。

山本先生が「無くなりません!」と仰ったように、おれも教育界や家庭での間違った嫌子の乱用ってのは「絶対に無くならない」と確信しています。人間の教育においても「褒めて育てよう」というスローガンを掲げれば掲げるほど、「懲戒のテクノロジー」は発展するどころか、遅れる一方でしょう。

法律で学校教育における体罰(暴力)は禁止され、懲戒は許されている。家庭でも、そのうち暴力が禁止される法律の改正がなされるかもしれません。だとすれば、余計に「懲戒システムやテクノロジー」を開発していかないと。子どもが集団で教師をいじめる場合や、生徒が教師を脅す場合、暴力をふるった場合。小さな懲戒をした場合、生徒が心から反省した顔をしなかったらどうするの? 「ちっ」と舌打ちしますよ。はい、こんなときどうする教師は? 面倒くさい子だと思って、それ以上は何もしない? それとも、ムカッとして「何だ、その態度は!」と暴力をふるいたくなるかも?

そこに懲戒のシステムがないと、結局は感情で暴力が出てしまうかもしれないでしょ。

冷静にやっていけばできるねんけど、国レベルでは無理。

国レベルのこととか、おれはもう考えてないし。

まず、家庭レベル、学校レベル。

続きのディスカッション求ムって人は、よろしければどうぞ行動分析学道場2013へ。今回のシンポジウムの4名がどんなご質問にも真意を確認した上で回答を行います(おかしな質問には、道場ですのでそれなりにしっぺ返しを喰らうことでしょうが)。事前課題はありますが、それも基本随伴性の例題くらいの最小限度の確認課題的なものがメインですので、そこの心配はご無用です。ただ、来週には締切になります。

今回の学会2日間で、2つの対照的な輪っかを見た。輪っかはマジシャンの「つながる、離れる、つながる♪」のほうが幸せや。

そうそう、うちの研究室のSSDさんが、実は瀬島先生の遠い後輩だということが、そのマジックつながりで発覚したのでした。ずっと昔から知っていたのに、おとといまでつながりに気づきませんでした(^▽^;)

奥田健次

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コメント (8件)

  1. 先生学会おつかれさまです。

    ここ2日間の記事を読んで、すごく考えてしまって、ぐるぐる頭に回り、安易にコメント出来ないやと思っていました。

    皆さん本当に良く勉強されていますね。
    すごいです。
    私は何度も反復しないと中々身にならないので、紙に書き書き、勉強していこうと思います。

    息子は小1でまだ月1~2回おねしょをします。「好子出現阻止の弱化」。。。。

    今は、行動うんぬんを考えておらず、

    おねしょをする→シーツやマットをはがしたりの処理を(自分で)することになる&夜もシーツをつけるのを手伝う【本人的にかなり面倒】

    もちろん親も手伝いますが、まさしく「間違った嫌子の乱用」になっているのではないかとドキドキしています。
    難しい。。。。

    娘に起こった悪いことを「全部お母さんのせい!」などといった日にゃあ、「はい、アウトーー!」と娘の世話は焼きません。洗濯も自分、ごはんも自分。
    これも間違った嫌子の乱用か。。。(>_<)

    やはり先生の様なプロにアドバイスを頂かないと危険ではある。

    でもそれ以前に認めて褒めての「叱りゼロ」をやって、元々の子供との関係性がゆるがないようにしないと。。。(+_+)としみじみおもいます。

    褒めのボキャブラリーがもっと欲しい!
    すみません、長々。混乱しています。

  2. こんにちは~。

    あの白い犬はしろえもんと言うのですね。トイレに行って戻ってきたら鎖でできた首輪の付いた犬が女の人にガンガン引っ張られていました。
    ドン引きでした。なんとチワワくらいのちっこい犬にもやるそうですね。

    愛犬家の旦那さんは「あんな拷問道具をペットショップで売りやがって」と久しぶりに激怒していました。

    山本先生は発表席から自分の席にもどられる間もマイクが無いのにずっと「変わんないのよ!」とおっしゃってましたね。熱心でおもしろい先生でした。家庭犬育成指導者養成キャンプに行ける資格のある方がうらやましい…。

    一般の家庭の主婦が行動分析学の本を読んだくらいではきっと本当に理解して子育てに使っていくのは難しいことだと思います。
    指導してくださる先生が近くにいれば良いのですが杉山先生のおっしゃる通り、圧倒的に人数が足りないんですよね。
    行動分析学会に出席されていた学生さん達が世に出て活躍されることをこの田舎の主婦は期待しております!

  3. 奥田先生、おはようございます(´・_・`)

    ここ2日間、自分でもビックリなハードな日々送っていたのでコメントできなかったです…
    前日には元気にコメントします!なんて言ったくせにですね(>_<)

    先生が書いて下さったシンポジウムの内容、とても有難かったです。
    参加できなかった私にもどんな事が行われていたか知る事ができて嬉しかった。
    まだまだ勉強は全然ダメな私ですが、疲れたアタマでは余計に理解がイマイチだったので、これからゆっくり読みます(*^_^*)

    目に止まったのは「間違った嫌子の乱用」という言葉。
    確かに…

    今日はお休みです。
    「洗濯だー」と張り切っていたのに空はどんより。
    こんな日は「洗濯なんていいから本読んで勉強したら?」なんて言われてる気がします。
    そうしよう( ´ ▽ ` )ノ

  4. なるほど…
    確かに学校教育法では体罰は禁止で懲戒は許されてますが、昨今学校の先生のノイローゼが増えているとききます。
    懲戒は許されているもののシステムがないから手立てが解らず、そうなってしまう可能性もありますね…

    話は変わりますが、マジックショーには申し訳ない思い出があるのです。
    ある街で年に一度あるお祭りに、地元の有志の方のお一人がマジックショーをステージで披露されることになったのです。高齢のお爺様でアシスタントがいないのでスタッフとして来ていた私に白羽の矢が当たりました。内容は最後の見せ場、胴体切断の箱の中に入るというものです。断れない状況だったので、止むを得ずステージに。
    打ち合わせ通り会場にいるお客のふりをし、呼ばれて催眠術をかけられ、お爺さんお手製の胴体切断の箱の中に入るまではよかったんですけど、怖くなっちゃってそのまま号泣です。
    箱は頭だけ出ている状況だったので、客席はマジックに対しての感嘆の声というより大爆笑で。
    がんばらないと!とは思ってたので、絶対に目はあけませんでしたよ!だって催眠術にかかっているんだもの。開けるともっと怖いし。
    結果、その祭りで一番の笑いをとってしまい…マジックショーではなく、コントですコント。
    二度とアシスタントはやらないと決めてますが、見るのは楽しいですよね〜。

  5. 奥田先生こんばんは。
    学会、お疲れ様でした。

    昨日の夜尿からなかなか抜け出せず、
    「好子出現阻止の弱化」の具体例を自分で考えられないかと・・・
    朝食にジュースあり→おねしょする→朝食にジュースなし はどうでしょうか。
    生活指導や投薬といった一般的な夜尿症の治療は時間がかかります。真夏の水分制限や長期間のアラーム療法は本人や家族にも負担がかかります。夜尿症に適切な行動療法が広まればいいなと思います。

    答え合わせはできないけど、これは行動なのか考える癖をつけて、まずは基本の行動随伴性がパッと答えられるようになりたいです。
    スーパーで買ったお肉のパックをビニール袋に入れてから袋詰めしながら、このお肉のパックをビニールに入れる行動は肉汁がもれて汚れるかもしれないという「嫌子出現阻止の強化」なのかな~と思ってみたり。
    考えてみれば日常ってそればっかりかも。玄関先で焚いている蚊取り線香を見て「これも!?」と思いました。苦笑
    私は弱化を考える方が難しいです。

    先生は爽やかな軽井沢に戻られているのでしょうか。少しホッとできる時間があればいいですね。

  6. こんばんは。

    スゴイ訓練があるんですね;

    懲戒のシステムって目からウロコ。自分の経験からもその必要性を感じます。

    行動分析学って本当におもしろいですね。でも自分の考えを方向転換できても、こどもに対応することは何割もできてない気がします。応用には壁がある…センスがいる…(>_<)

    でもおもしろい、必要だと思い続けられることが、先生の存在が、とってもありがたいです。こういうところで学問とつながらせていただける…とかマジメにかいたらなんかますますご挨拶とかできなくなりそう(笑)いみなく自滅…

    一瞬みた先生は優しそうなジェントル〜でマイルド〜な感じが致しました。話し掛けづらい雰囲気とかは全くなく。学者モードやどぎついバージョンも気になるところです(^^)

    ところで神楽坂怪談四人衆って…?

  7. そう
    そこです(ToT)
    行動分析を少しかじって
    さあ実際やろうとすると
    例えば
    おしっこをトイレでする
    の強化はすぐ出来るんですでも、
    お漏らしするの弱化はうまく組み立てられなくて
    お漏らししないの強化になりがちなんです
    結果、トイレトレーニングは強化のみで出来たけど問題が複雑になると結果が中途半端になりがちで…
    ここがしっかりわかれば他に浮気をしなくて良いのかな?…
    体罰問題はみんな困ってる事だし、一段落ついたらまた本にして下さい
    道場の記録でもいいです
    少し高くても本だけは絶対買いますので(ToT)

  8. 学会おつかれさまでしたm(_ _)m

    今日の記事、ブログで読めるなんて…勉強になります。書籍を一度読んだだけではわかったつもりになるだけで、何度も読み込む必要があるな…と思います。
    読んでいるときは理解していると思うのですが、場面が変わるとどうなるの?どう考えればいいの?ってなっちゃいます。繰り返し繰り返し訓練するしかないのでしょうが。それがあっているのかどうか確かめるにはその結果を見るしかないですよね。初心者用の問題集みたいなのがあると嬉しいですね。


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奥田健次(行動分析学者)プロフィール

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奥田健次(おくだけんじ)
身長・体重 174cm・63㎏
生年月日 1972年1月20日
血液型 B型
出身地 兵庫県

プロフィール詳細

このブログの更新情報が届きます。

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http://www.diamondblog.jp/kenjiokuda/

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