長野県に幼稚園設置申請いたしました
パートタイム教授、行動分析学者の奥田健次です。
大学を超早期退職し、買い取った廃校で学校づくりをしています。と、これまで「学校づくり」と言っていましたが、これは実は本当にやっていたことです。
行政書士に相談し、家族以上のお付き合いのある方々を理事就任予定者として会議を重ね、まったく新しい私立幼稚園を計画してきたのです。6月の講演会に来て下さった方には、このことを公の場で正式に発表しましたので、ご存じの通りです。
当然ですが、私個人の力ではこうした学校を準備し運営していくことは不可能です。自分に出来ることというのは、やはり行動分析学を全面的に用いること、発達障害児への指導や家族支援を行うこと、そして学校全体の子どもや家族の良い育ちを支援することくらいです。
残念ながら、地元・御代田町はこちらが「日本で初めて行動分析学を用いた幼稚園を・・・」と説明しても「発達障害児は受け入れています」と回答する始末で、まだまだ地域の行政の理解はこういうレベルです。発達障害児を幼稚園が受け入れていることは当たり前のことです。長野県も特別支援教育を事業としてやっていることをアピールするばかりで、「行動分析学」については「行動を分析する学問ですか?」くらいの理解レベル。
ちなみに、先日の行動分析学会の年次大会でインクルーシブ教育のシンポジウムがありましたが、そこで話題になったようなことなどは御代田町も長野県もご存じないようでした。いや、文科省の中教審報告ですからお題目くらいは知っているのでしょうが、私が「インクルーシブ教育を平成24年以降で取り入れている幼稚園はありますか?」と聞いてみましたら、「・・・把握していません」とのこと。
子育てに関していえば、平成27年4月から始まる「子ども・子育て支援新制度」について、地元・御代田町に町の事業計画に組み入れていただくようにお願いしましたが、残念ながらそれについても今のところ消極的な様子です。
行政としては「今あるもの以外のもの」は理解しがたいのでしょうが、まだまだこちらのPR不足という側面もあります。今後、しっかりと行動分析学の魅力を地域でも伝えていき、新しい幼稚園がインクルーシブ教育がかかげる「共生社会」の形成にどれだけ役立つものか、伝えて行くことが課題でしょう。いつか地元にも長野県にもその必要性をご理解いただけると信じています。
ちなみに、近隣の市町ではこの新しい試みに対する理解は深く、大歓迎して応援していただけるとのお言葉をいただいております。軽井沢町の藤巻進町長、小諸市教育委員会、佐久市議会議員、小諸市議会議員、長野県会議員の方々は、講演会に勉強に来て下ったり面会してお話を聞いていただくことができました。その上で、私の設置しようとしている幼稚園について、応援のメッセージをいただいております。
日本で初めての行動分析学による幼稚園ですので、なかなか理解していただくのは簡単なことではありませんが、間違いなく子どもたちや家族のために役立つだけでなく、近隣地域の教育にも大きな貢献ができることでしょう。
ご近所の方々や地区の高齢者の方々の応援や励ましのお言葉もいただいて、6月30日に無事に長野県に幼稚園設置の申請を行うことができました。
申請した幼稚園には、個別相談室を設けています。通常、こうした部屋は幼稚園の設置基準に必要とされていないのですが、余分にお金がかかりますけれどもこれだけは譲れませんでした。このように、通常の教育もやりますが個別教育相談も実施するという意思の表明です。しかも、これは地域に向けても開かれているので私の幼稚園の園児だけを対象としたものではありません。
この幼稚園を設置するに辺り、私はすべての個人資産を手放して寄付すると決め、それも発起人会でこの寄付行為が決議されました。長野県で一番定員の少ない幼稚園(35名定員)ですので、他府県の諸先輩方には「それじゃ儲からないよ」などと言われ続けたのですが、それも承知で儲けなんか考えていません。理想の実現を優先しました。
想像するに、行政の壁はいつも立ちはだかるのですが、今はまだ役人の方々には理解できないことかもしれませんが、必ずこんなユニークな幼稚園の魅力や果たせる役割などをご理解いただけるようになるだろうと信じています。
私の著作物をお読み下さった方や、行動分析学の専門家には周知の事実ですが、アメリカにおいては第三者機関が発達障害児への早期教育に行動分析学が第一番目に推奨されると表明しています。ニューヨーク州の例を挙げると、Report of the Recommendations by New York State Department of Health Early Intervention Program(2000)は、応用行動分析学に基づく早期集中療育を、科学的に効果が実証されているほぼ唯一の自閉症療育モデルであるとしてその実施を推奨しています。
今後、私の申請した幼稚園を長野県が審査していくのですが、最短で再来年の4月に開園します。1年目は、最低2年保育は実施したいので、3、4歳児を募集しますので、現在、1歳半健診などで保健師から何かご指摘のあったお子さんの学年ならば開園に間に合うかも知れません。
追々、こちらのブログのほうでも経過をお伝えしていきます。
県外の方々にとっても、こうした機運が高まることは間接的にそれぞれの地元に還元できることも増えますので、どうかご声援を賜りますようお願い申し上げます。
私の幼稚園で作成した教材や教育プログラムは、私には企業秘密などはなく公開していきますので、良いものや使えるものは地元でもご利用いただきたいと思います。
長野県に申請中の新しい幼稚園の実現のために、応援、よろしくお願いいたします。
奥田健次
行動分析学の幼稚園面白そうですね。
僕は医療系の学生ですが行動分析学はためになる事が多く面白いです。
実家が長野県の東信なので是非見学に行きたいです。
私自身が軽度の発達障害を持ち子育てもしています。
こんな自分が子育てできるのかこれであっているのかいつも手探りで不安な中先生の書籍に出会い応用行動分析を知り子育てが楽しくなりました。
先生の幼稚園に通う親御さんは子育てを学ぶことができ卒園後も自信をもって子育てできるのではないでしょうか?とても羨ましいです!
インクルーシブ本当に実現してほしいです。
職場にもアスペルガーの方がいますが本人も特性に合った教育を受けてきていないし、まわりもただの我儘として捉え対応に困り放置しているのが現状です。
もし私も含め大人の発達障害の人が応用行動分析で支援を受けていたらきっともっと生きやすく社会生活を送れていたのではないかと思います。
先生の取り組み、とても嬉しいです。
大変な事も多いと思いますが応援しています。
私もこれからも子育てや生き方を学んでいきたいです!
いよいよなんですね。応援してます。頑張ってください。
すべての障がいのあるお子さんが本当に「共生」できる社会になりますように。
こんばんは☆
感動しちゃいました。
応援してます!
そ、送信ボタンに触れてしまった(*ノω<*)
つづき
天使…て、天使。
たくさんの人を幸せに導いてください。
そのためには、体を労ってください。先生しかいません。
コメントするしか何も出来ませんが、その幼稚園が全国に広がっていくことを切に願います。
本当に、本当に、すごい!ワル…
なんか…コメント一日寝かせました。
感動しました。
先生はほんとにすごい人ですね。
その一言しかないなぁ…
ゴテゴテに固まった中に向かう侍です。
そして幸せを求める家族の天使てん
四月になって、息子の保育園の先生がガラリと入れ替わってしまいました。
少しでも息子が成長するならばと色々手を尽くしてくれた先生がいなくなり、新しく来た園長は「あなたの言うことを受け入れると、他の保護者が保育園は何でも言うことを聞くって思うから困るのよ」とハッキリ言う人でした…。
何のための加配なの!って憤りを感じました。
奥田先生の幼稚園はきっと、こう言ったすれ違いもなく、家庭と園で同じ方向をむいて療育ができるんでしょうね。羨ましいです。
どんな幼稚園になるんでしょうね〜
影ながら応援しております!