阻止の随伴性で行動修正法の間違いを修正する
パートタイム教授、奥田健次です(^^)
本日、2回目の記事となります。
行動分析学会の年次大会最終日、猛暑の岐阜大学にて。午前中はシンポジウム、お昼からは編集委員会、そのまま13時からはシンポジウムでの話題提供でした。シンポジウムのタイトルは、『罰なき社会』を再考するでした。島宗理先生、山本央子先生、杉山尚子先生とご一緒させていただいたのですが、今回も『打ち合わせなきシンポ』でしたから。
事前にパワポを送り合うこともできるのですが、ライブ感を大切にしたいのもあって、てか本当はそんな時間もそれぞれに無く、ぶっつけ本番でいいやという感じ。
でも、ちゃんと打ち合わせしておけば良かったと、今回は思いましたよ。
てゆーのも、単純な誤記があったので。単純とはいえ、一番推してるポイントの部分だったので、自分的にはちょっと残念。北海道の大久保先生がさっそく質問メールをくれたので、すぐにパワポを見直してみたら。あ・・・、確かに。
口頭での説明では、好子出現を阻止する例で解説してたのに。ひとり興奮して、夜中にパワポを作って、しかも誰にも見せずにいきなり本番で使ってしまったのがいかんかった。今後、「打ち合わせなきシンポ」を再考します。
さっそく直しておきます。
(誤)好子消失阻止の弱化
↓
(正)好子出現阻止の弱化
パワポのスライドは単なる誤表記でしたが、言いたいことは変わりません。好子出現阻止の弱化。弱化なのに、得られる好子の総量を増やすことができるので、環境エンリッチメントにつながる可能性があるわけで。
これは、来月の行動分析学道場という2泊3日の合宿にて、研修に来られた方の前で実演してみせます。講師陣は、今日の4人のシンポジストそのままです。行動分析学道場2013への申込みは、あと1週間ほどで締切です。
行動療法の教科書の中には、まだまだ「『○○しない行動』を強化する」「落ち着いた状態になったら強化子を提示する」という間違った記述が散見されます。当時の一流の行動療法家の先生方も、当時に書かれた教科書ではそのように書いておられます。つまり、きちんと行動を整理する枠組みが出来ていなかった。
それが「阻止の随伴性」のおかげで、すべてが変わったように思います。
夜中におもらしをする(夜尿)への介入でも、「おもらしをしない行動」というのをターゲットにするのは間違いです。やはり、そこは「おもらしをする行動」もしくはその結果に着目して、介入方法を決定していく必要があります。ただし、まあうちのブログは一般の主婦とか学生が多いので、思い込みでやらんといてほしいのですが、こういった夜尿をどのように直すか。無駄な叱りやペナルティー、ましてや体罰などではない、阻止の随伴性を使った弱化方法というのがあるんです。
いや、厳密な言い方をすれば、今まではありませんでした。行動療法の夜尿の介入で、当時は「阻止の随伴性」の枠組みでは解説されていなかったのですから。オペラントやレスポンデントで、かなり無理矢理な説明に見えます。おれは今まで、そこのところは過去の文献も含めて、無駄な説明を省くためにも阻止の随伴性で記述してきました。これから、これをもっと使用して良いんだという、確信に近いものが出て来ました。この気づきは革命的です。
(認知)行動療法、行動修正法の、従来の無駄の多い説明を(あえて言えば間違いを)修正する必要があるでしょう。
奥田健次
おもらしをしないための行動(寝る前にトイレに行かせておく 等)よりも、おもらしをしてしまった時の親の行動のほうが重要な気がします。
もちろん、寝る前のトイレは少なからずそのとき溜まっている尿の量をへらしているので効果的だとおもいます。ただ、寝ているとき(子供って10時間くらい寝るので) に溜まった尿がふとね、なん、きっかけはあるんでしょうが出てしまうんじゃないかなーと。
きっかけはあるとはいえ、出たものは仕方がない!人間だもの。
うちは出てしまった後は、表情変えず、叱らず、掃除するのみです。本人が一番可哀想。
ただ、おもらしせず朝を迎えた時は小躍りするくらいテンション高めに誉めます。
犬のトイレトレーニングと似てます。
うちのワンコの場合、注意を向けさせるためにわざと違うところでおしっこしてることがあります。そのときも無言で掃除あるのみ。。心の中ではめっちゃ怒ってるんですけどね。
おもらし経験者(私)からすれば、おもらしで怒られることほど怖いものないですよ。寝てるときに出ちゃうんだもの。意識ないんだもーん!テヘペロ♪です。あ、実際にはトイレに行っておしっこしてる夢をみてるんです。夢のなかでちゃんとトイレでしてるですよ。
叱らず育ててくれた母に感謝です。