望月英莉加 & 池谷直樹 ミュージカル対談 Part 2
皆様大変お待たせ致しました。望月英莉加&池谷直樹 ミュージカル対談Part2です。
舞台前の楽屋での話や、稽古中の裏話について貴重なお話を聞かせて頂きました。
お二人のエンターテイナーとしての意気込みが伝わってきます。お二人からのサイン色紙のプレゼントもありますので最後までお楽しみください。
まだ『Part1を読んでないよ』という方はぜひPart1からお楽しみください。
ダイヤモンドブログスタッフ相川(以下:相川) 直樹さんの舞台は特に体を使いますし、望月さんも沢山歌を歌って動いて、舞台ってすごく体力を使う仕事だと思うのですが、お二人は舞台前に必ずすることはありますか?
望月英莉加(以下:英莉加) 最近、リポD飲むようになりましたね。今までは飲んだことなかったんですけど、リポDでもすごいカロリー低いものがあるので。
池谷直樹(以下:直樹) そうですね?、僕はもうだいたいやることが決まってますね。 例えば12時公演だと10時から「毎日メニュー」って行って自分たちで決めた演目をみんなで稽古するんですね。 10時から11時まではその振りの確認だとか、例えば「ジャンプロープ」っていう縄跳びを朝一回やるとか、それをお客さんの入り時間の11時頃までやってますね。そのあと30分くらいは自由時間で、そのあと全員で気合い入れてという感じですね。
英莉加 入り時間早くないですか?
直樹だいたい2時間前ですね。でもそれより早く来る人もいるし、10時の「毎日メニュー」に会わせてみんなアップしたりもするので。
英莉加結果わりと入り時間より早くなってしまうのですね。でも、なんか毎回必ずやっていること、これをやっておけば自分が安心出来るっていうかそういったものありますよね。
直樹ありますよね、ジンクスっていうか…、「こうやったら失敗せぇへん」って思えるなんかが。
英莉加なんだろう?テンション上がってきた気がする!みたいなね。
直樹 僕ら楽屋がみんな一緒なんです。 男は男で、もーすっごい狭い所に20人以上入ってるんで、本番20分前くらい前になると、みんなうるさいし、ギャーギャー言うし、そういうとこは普通の舞台とまた違うのかもしれないですけど。
英莉加 でも楽屋一緒って良いですよね。一人の部屋を当てられても、結局なんかみんな一つの部屋に集まってしまってね。
直樹 そうなんですよね。結局みんな集まってねー。 でもその方がいいですよ、一人になるというのも出来るし、みんなとの時間も持てるじゃないですか。 僕らはみんなしかおれへんねんもん。
英莉加 それはそうかもしれないですね。
直樹 でも、それぞれみんなもう、気にせずやるのを覚えますね。隣でギャーギャー騒いでいようがこっちで僕新聞読んでるし、という風に。
相川 お二人が思うミュージカルの魅力ってどんなところにありますか?どこに注目してみてほしいとか。
英莉加 生っていうのが全てですね。やり直しのきかない緊張感、ミュージカルは目の前にいるお客さんとの対話が全てという感じ。ミュージシャンの活動もしているので、ライブをやることもあるんですけど、同じ生でもライブとは違う臨場感みたいなものがあって、その瞬間瞬間をお客さんとも共有し合っているという感覚が快感になっちゃうとやめれないというのがありますね。
直樹 臨場感。 ホントにねー、「舞台は生だから」って演出家が言うけど、ホンットにそうだから。 おんなじことを僕らは毎回やろうとしてるんですけど、やっぱり人間だからその時その時の調子とかによって変わってくるというのがあるんです。 だからね、収録じゃない「生」っていうのが一番魅力ですよね。 やっぱミュージカルとか、舞台をやってる人は一回あれをやるとこうね…。
英莉加 はい、ハマっちゃいますよねー。
直樹 あの空気というか、拍手もあってね。
英莉加 多分これが急に収録になります、っていうとすごい大変ですよね。
直樹 お客さんがいるから、毎日あれだけテンション上げれるし。
英莉加 そうですよね。
直樹 ホントにね、お客さんがいなかったら出来ないことだし。お客さんがいるから今日も頑張るか、って。
英莉加 なりますよね。なんかあの、気のぶつけ合いっていうか、人間って気を出してるから、自分たちがステージに出ていても、お客さんもすごくパワーを出しているのを感じる。お客さんは思った以上に自分たちの変化を凄くよく冷静に見ていますもんね。
直樹 やっぱお客さんは見に来ていますからね。見ようとしているし、だからその気持ちが舞台に立つとすごく伝わってきます。それは多分経験した人じゃないと分からないと思いますけど。
英莉加 すごくよく自分がやったつもりでも、お客さんのノリが悪かったり、あれ今日あんまりきてなかった気がするのにお客さんすごい盛り上がってたんだけど、みたいなそういう時もありますよね。
直樹 ありますねー。『何でやろー』って思いますね。 自分だけじゃなく、舞台全体じゃないですか。 僕らが演じてても、シーンシーンで出ていて、通して見てないから。
英莉加 そうなんですよね。
直樹 全然違うんですよね、感じてることがお客さんと。
英莉加 自分の舞台を見てみたいけど、絶対不可能なことですからねー。
直樹 そう、そうなんですよ。やっぱり自分で見てみたいんですよ。それが一番勉強になると思うし。
英莉加 映像とまた違いますもんね。
直樹 映像じゃないんですよねー。 終わってからみんなとビデオで見ても、また違うし。 マッスルの場合ね、毎回必ずその一公演でクレーン入れてカメラ撮ってってやるんですよ。 で、毎回一本を編集してテープにするんですけど全然その伝わらないというか…。
英莉加 うーんそうですよねー。
直樹 それを見てもそこにいないと分からない空気っていうのがやっぱり…。 テレビを撮る一番偉い人もどんな風に編集してどんなカットで撮ってもやっぱり生には負ける、どうしてもあの空気が出せない、ってそう言ってましたからねー。
英莉加 舞台は毎回毎回進化していくし、その時その時に生まれる空気は演者さんの集中力のたまものというか、お客さんとの気のぶつけ合いでもあるし、だから同じストーリー演出で同じことをやっていても同じ空気を出すことができないから面白いんですよね。
直樹
モンスターボックス、高いのあるじゃないですか。
あれねー他の演目はコンディションが100%じゃなくてもなんとか出来るですよ。
稽古でやってきたことだから。
でもあのモンスターボックスはね、ちょっと足首が痛いとか、ちょっと腰が痛いとかだけで本当に左右されて…。だから毎回100%じゃないとあれは飛べないっていうのがあるんですごい精神的に辛いですね。
朝歯を磨いていて、あっ腰が痛いなー、と思うと、今日モンスター飛べるかなー、っていつも思いますから。
英莉加 そこがまた何ていうか、演者の挑戦みたいなものがあって、お客さんが見ててもハラハラドキドキして、きっとお客さんもそれが快感なんでしょうねー。
直樹 だから舞台は、ミュージカルは楽しいんですよ!わかりましたか?
英莉加 わかりましたか?
相川 ところで、世界記録の23段の跳び箱から見た風景ってどんなんなんですか?
直樹
いやこの上(ビルの12F)から見たくらいですよ。そらちょっと高すぎるな…(笑)
バスの上なんですよ、要は。
英莉加 自分の身長分がさらに足されるじゃないですか。余計高いですよね。
直樹 だからいつも飛んでるのは…こんなもんかな。(天井をさす)
英莉加 すごいですね。
直樹 高いですよね。全然飛べる気せぇへん。
(一同爆笑)
相川 でも飛んじゃうんですよね?
直樹 近くで見上げると全然届く気しないっスよ。 でも、走って行って蹴ったら何とかなるかなと思うけど、でもやっぱり壁に向かって全速力で走るから降りたときの衝撃はすごいですよ。 RENTの公演中に誰か怪我したことってあります??
英莉加 大怪我はないです。ちょこちょこはありますけど、みんな気合いで頑張ってます。
相川 階段を下りてくるところ怖くないですか?
英莉加 すーごい怖いですね。私高所恐怖症なので。
相川 結構高く見えたんですけど、どのくらいあるんですかね?
英莉加 最初稽古場ではそれほど高くない場所だったのですけど、会場入ったら4倍くらいあって、プールとかである飛び込み台ってあるじゃないですか。ああいう感じです。そこで踊ってくれ、みたいな。最初階段登ってみたんですけど、まず高さにびっくり。その後はそこで踊ってみてと言われて、「無理無理出来ない」と思ったんですけど、お客さんが入るとこれができてしまうんですね。
直樹 やっぱそこだっ(笑)
英莉加 そうですねー。
直樹 マッスルもね、怪我人が必ず出るんで。 本番中にっていうとまだいいんですけど…ってどっちもどっちなんですけど。 その前日とかに怪我人が出ると全部やりなおすんで、一番大変なのが、その二回公演とかの前の日に怪我すること。本人は足怪我したけど上半身だけでできるものは出たい、みたいなものもあるから、本人的にどこまで我慢してどこまで出れるかみたいな感じで。他は誰がカバーするか、みたいな感じです。
英莉加 すごいですね!
直樹 でもそれ以外の所は全部立ち位置を変えてやるのが大変なんですよ。もう毎回そうですよ。
英莉加 え?代役的な人はいないんですか?
直樹 いないです。
英莉加 すごーい!すごい挑戦ですね!
直樹 いることもたまにあったりはするんですけども…、基本的に大体シングルなんで…。 だからこの前も自転車のヤツ、自転車のこう、あるじゃないですか。あいつもずっと手を怪我していたんですよ。
英莉加 すごーい!それ聞いたらマッスル見に行ってらっしゃる方もぐっときちゃうと思いますよ。
直樹 一つ演目減らしたら成り立たないし、その着替えとかも間に合わなくなったりとあるじゃないですか。だからね、取りあえず怪我しないようにって気をつけてはいるんですけど、やっぱり怪我人が必ず…。
英莉加 そうですね、だって、普通無茶ぶりでしょうって動きが多いですからね!こっから飛び降りちゃうんだ!?みたいな。そこ越える!?みたいな。
直樹
なんかもう怪我との戦いってのもあるし。
怪我したらみんなに迷惑かかるっていうのでもうそれだけやね。
この前の花魁でも、結局ゲネの日に怪我してしまったメンバーがいて、初日から変わってるんですよね。
で、そいつが治って戻る頃にまた違うやつが怪我してるから、結局稽古でやったことが一回も出来なかったですね。
ここも自転車入るのに…、とか全部僕が作った演目、稽古でやったのに本番で出来なかったっていうのは…。まぁ毎回の事ですけど。
もうマッスルは7年目になったんですけど、2001年にやりだして、劇場を持ち出したのは2004年からなんで、2004年から4、5、6と横浜でずっとやって今は渋谷でやってますね。
英莉加 横浜でありましたよね。
直樹去年は渋谷の立ち上げだったんですけど、僕は去年3月から11月までラスベガスのホテルで公演やってまして…。海外でやるのも結構楽しいですよ。
英莉加 楽しそうですよねー!
直樹 言葉は分からないですけど、みんな反応一緒ですよ。笑うとこは笑うし、驚くところは驚くし。また日本人とは全然違うのが、もう笑うとこなんてマジで腹抱えて大声で、テレビのアフレコかっていうくらい笑いますからねー。その笑いでこっちが笑ってしまうくらい。
英莉加 あと拍手の仕方が日本人よりもすごいんですよね。
直樹 スタンディングも最後に必ずしてくれるんでねー。やっぱりそこはね日本人との文化の違いかなーってすごい感じますね。
英莉加 うん、そうですね。
直樹 本当にアメリカ人って映画を見に行く感覚で見に来たりするから。
英莉加 エンターテイメントが本当充実してますしね。見に行く方もすごく多いですし。 でも、日本もだいぶエンターテイメントにお金を使うようになってきてるし。 マッスルさんが小屋を持ったことが素晴らしいことだと思うし、そういう風にどんどん広がってほしいですね。
直樹 ミュージカルとか舞台が身近なものになっていけばなー、ってすごいあるよね。 自分らの舞台なんかホントに子供から大人まで見れるんで。
英莉加 そうですよね、舞台って結構食わず嫌いな人が多いので。私も最初はそうでした、いいイメージがなく扉を開けてビックリですね。『素晴らしい』って。先入観で“ダサイ”というイメージがあったんですけど、実際に見たり、自分が出演して演じれば演じるほどはまっていきましたね。ぜひ、見たことのない方は一度でいいので足を運んでほしいですね。
直樹 みんなミュージカルや舞台は知ってて「ああ行きたいなー」と思うんですけど、それを行かないだけであって。
英莉加 食わず嫌いの方が大半の気がしますね。
直樹 実際見たら面白かったっていうのがほとんどですよね。きっかけなんですよね。
英莉加 そうきっかけ作りをなんかいい感じで出来たらいいですよね。 その点、ブログってとてもいい流通手段なので、生の声でみんなが良かったってブログにコメントしてくれるような、ミュージカルを見せていきたいですね。
相川 望月さんが舞台を好きになったきっかけって何なんですか?
英莉加 私はもともと食わず嫌いでミュージカルとか全然好きじゃなかったんです。何かその変な先入観で見ていて。どのミュージカルも素晴らしと思うんですけど、ちょっと照れくさいイメージがあったんですよ。けれど、1回自分が出ることをきっかけにエンターテイメントってすごいなと思って。さらに色んなものを見るようになって、そしたらどんどん欲求が出てきてもう色んな舞台を見るものがとにかく好きになりました。
相川 ちなみにRENTのオーディションって何名くらい来られたのですか?
英莉加 8000人ちょっとだったと思います。
直樹 8000人!?いいなぁ~!
英莉加 「いいなぁ~?」(笑)マッスルではオーディションとかやるんですか?
直樹 オーディションそんなに集まんないですよ。
英莉加オーディションやっているんですか?でもレベルが高そうですね…。
直樹 いやいや、そういう訳じゃないですけどみんなね、怖がって来ないんですよ。
相川 スポーツマン限定じゃないんですか?
直樹 いや限定でもないんですよ。誰でもオーディション来れるんですよ。
英莉加 でもやっぱり、それこそ大学でやってたり専門的な人じゃないとあのクオリティーにっていうか…何て言うんだろう…、子供の頃からやってたような形の集大成?みたいな部分があるから。
直樹 あーやっぱそういう風に見えるんですねー。
英莉加 昨日今日稽古したところで…、ってあるんじゃないんですかね。
相川 やってみたいからって気軽にオーディションに行こうとは思えないですよね。
英莉加 思えないですね。
直樹
そっか、確かになぁ。
今ね、新メンバー今も入ってきたのもあるんですけど、メンバーを増やすのに、体験というかアンダーで舞台に出てもらったりしながら稽古を一緒にするっていうのをちょっとずつやりだして。
大学卒業してすぐの子とか、体操していた人とか入れてやってますね。
男のメンバーが26人いるですけど、バク転出来ないメンバーって1人くらいしかいないですね。
ミュージカルするのに歌ったことないです、みたいな人いないじゃないですか。
やっぱりそれなにり歌も踊りもある程度はやってる人が来ますね。
相川 普通の舞台とミュージカルってどう違うんですか?
英莉加 ミュージカルだけに音楽がプラスされる。まんまですけど。
直樹 やっぱミュージカルは音楽というか、カウントがあるものなので、 音とか音楽に合わせてその色んな演者の気持ちが変わっていくっていうのがやっぱミュージカルですね。
英莉加 音でまた物語の流れとかを表現出来たりしますよね。
直樹 だから芝居だとまた全然違いますよね。 芝居はホントに台詞と表情とかそういう動きとかだけで表現するものですけど。 そこに音が入ってきて。 稽古本番期間中なんて他の音楽聴いててもカウント数えるのしか出来なくなるんですよ。全部。1,2,3,4って…。 何かね、音楽全部をカウント取るようになりましたからね。
英莉加 ミュージカルというのは音楽的な決めごとがありますからね。一人間違えるとガタつきが来ますからね。
直樹 そうそう。だから跳び箱飛ぶ時も、みんなで袖でカウントとってやってますからね。 誰かがわかんなくなっても誰かが数えてたら分かるようにしてあるから。
英莉加 歌うほうが流れを把握しやすいですけど、カウントで決めごと把握するのって大変そうですね。間違えたらガタガタになりそうですね。
直樹 そう、ガッタガタになるから。あと導線とかも1人じゃ危険だからね。
英莉加 導線間違えたら危険ですもんね。ホントに。
直樹 狂っただけでもう大変なことになるんで。
英莉加 1人がてんぱり出すとグチャグチャになっちゃいますよね。1人が「何で何で!?」ってテンションになっちゃうと「ぶつかった」「転んだ」みたいな…。
相川 最後にRENT、マッスルミュージカルを見に来た方、これから見に行く方々へメッセージを頂けますか?
直樹 マッスルミュージカルを見に来てる人に、RENTも見に行って欲しいなーっていうのはあります。
英莉加 良いこと言いますね! 生でやるエンターテイメントはどれも作品作品ごとにすごく素晴らしいので是非これをきっかけにしてもらえれば。
直樹 全然ジャンルの違ったミュージカルでも、生の舞台のライブ感っていうのは多分一緒なんで。 みんな稽古して、テンション上げてやってるっていうのはどの舞台も同じなんで、そういう映画ともドラマとも違う「生」というものを楽しんでもらえればと思います。 マッスル見に行ってる人は、RENTを見に行って、RENT見に行ってる人はマッスルも見て楽しんでもらえば、いろんなジャンルの作品を見てもらいたいと思いますね。
英莉加 みんなにもっとエンターテイメントに興味を持っていただきたいですね。
池谷直樹(いけたに・なおき)
生年月日 1973/12/1
出身地 大阪市
血液型 A型
スポーツタレント
・「サスケマニア」(TBS)
・「マッスルワールド」(MX)
・「筋肉祭」(TBS)
などに出演中
インタビュアー
ダイヤモンドブログスタッフ相川
撮影協力
カメラマン大島央照
望月英莉加さんと池谷直樹さんのサイン色紙をプレゼントします。
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皆さんのご応募お待ちしております。