少林寺流拳行館空手道 総本部 館長 久高正之空観独占インタビュー
──かくして、「ぬるっ」の正体は?
ぬるっの正体は、、、猿の脳みそでした(笑)。
そうそう、私はインドではいろんな映画に出ていましてね。インドに行けば私は映画俳優ですよ。
ジャッキー・チェンの師匠のMr.ボーンと一緒に出演したこともあります。
作品は忘れましたが、映画の撮影中に電気が消えてしまって、復旧するまでレストランで待とうということになった時、ピザ生地のような物の上に何かのっていて。。。やっぱり猿の脳みそでした(笑)。
──指導に行かれる国は、治安の良い場所ばかりではないですよね。
そうですね。アルジェリアにも行きましたよ。
治安の悪化で、日系企業の人たちはどんどん引き揚げているころでした。
日本の外務省は絶対に行ってはいけないと言うのですが、アルジェリアは過去に何度も訪れていますし、私の直接の弟子がたくさんいますから、子どもも同然です。
「行くよ」とアルジェリアの弟子に連絡をしたら「24時間態勢でお守りしますから」という返信が来たので外務省に見せたら、「こんな手紙は初めてです」と言われました。
警護についてくれたのは弟子やオリンピックに出場する柔道選手たち。
車が前に2~3台、私の車を挟んで、後ろに2~3台。
元首クラスの待遇でSPがずらずらとついてくれて「私はただの空手の先生なんだけどなぁ」というかんじでした(笑)。
その時の歓迎会で、大きな羊の丸焼きが出て来ました。
またもや「先生が先に食べないと、みんなが食べられない」と言う。
焼きたてでアチアチなんですよ。それを手でむいて食べろと。火傷しそうなぐらい熱そうで(笑)。
──空手は強くても、指は普通なんですね(笑)
当たり前ですよ。熱いものは熱いですよ。
私は「熱いじゃないか!! むけないよ!!」と正直に言いましたがね(笑)。
味はとてもおいしかったですよ。
──最後に、空手をやっている方たちに先生が伝えて行きたいことを教えてください。
礼に始まり、礼に終わる。
礼節をしっかり学ぶということが大事です。
空手において、心は3つあります。
前の心と書いて「前心」。これは準備をするということ。
通す心と書いて「通心」。これは一生懸命にやり通すということ。
残す心と書いて「残心」。これは反省するということ。
仕事、勉学、なにごとにおいても通じる心だと思います。
そして空手は闘いですから、相手を尊重し、認めることが大切です。
自分だけで勝手にやっていたら、結局、やられてしまうでしょう。
相手をよく学ぶといいますか、よく見ることで良い闘いができると思います。
その上で正しい闘い方を学びなさい、と私はつねづね教えています。
生存競争ですから、闘わないと負けてしまいます。
努力しない人は発展、向上はしません。
努力する心。
勝つ心。
そして正しい勝ち方をする。
努力なくして上達はせず。
継続は力なり、この言葉に尽きます。