【オリンピック日本代表について】前園真聖独占インタビュー!
文/戸塚 啓
現役選手から指導者や解説者まで、日本サッカー界の最前線で活躍する方々にご登場いただき、サッカーへの思いから人生論、ときには恋愛観(?)にも迫っていく『SOCCER NOTE』。
第1回のゲストは前園真聖さんだ。
現役時代の経歴については、事細かに触れるまでもないだろう。
鹿児島県の名門・鹿児島実業高校で活躍し、卒業後は横浜フリューゲルスへ。
1994年に弱冠20歳で日本代表へ初選出され、96年のアトランタ五輪代表ではキャプテンを務めた。
2005年5月に現役を引退するまで、Jリーグだけでなくブラジル、韓国などでもプレーしている。
現在はサッカー解説やキャスターとして国内外で精力的に取材をするかたわら、『ZONOサッカースクール』を主宰して育成や普及にも尽力する。
今回のテーマは、7月25日に開幕するロンドン五輪だ。
世界で戦う日本サッカーの先駆者である前園さんに、2012年注目の大会を占ってもらった。
──男子の対戦相手はスペイン、ホンジュラス、モロッコとなりました。組み合わせを見た率直な感想は?
「スペインがどういうサッカーをするのかは、皆さんもある程度イメージできるでしょう。ホンジュラスとモロッコは、まだちょっと分からないところがありますね。どちらも日本には馴染みの薄い国で、フル代表も五輪世代も久しく対戦していない。フル代表のFIFAランキングは日本より下ですが、だからといって戦いやすいとは言いがたい」
──5月発表のFIFA(国際サッカー連盟)ランキングでは、日本の30位に対してモロッコが60位、ホンジュラスが62位でした。
「五輪は16か国参加なので、それなりの実力を持った国が集まってくるもの。ただ、スペインに次ぐ2位を狙うんだという目標は、定めやすいグループですね」
──前園さんが出場した1996年のアトランタ五輪は、ブラジル、ナイジェリア、ハンガリーと同じグループでした。
「組み合わせが決まった瞬間は、『マジかよっ!』って(笑)。ブラジルとナイジェリアと一緒って、そりゃないでしょって。ブラジルは2年前のアメリカ・ワールドカップで優勝していたし、ナイジェリアもその大会でセンセーショナルを巻き起こしていた。カヌー、オコチャ、ババンギダ、ヴェスト、アモカチとか、フル代表の選手が揃っていたわけですから。ヴェストなんてすごいディフェンダーで、どうやったら1対1で抜けるのって思ったし、アモカチをどうやって止めるのって」
「スペインがどういうサッカーをするのかは、皆さんもある程度イメージできるでしょう。ホンジュラスとモロッコは、まだちょっと分からないところがありますね。どちらも日本には馴染みの薄い国で、フル代表も五輪世代も久しく対戦していない。フル代表のFIFAランキングは日本より下ですが、だからといって戦いやすいとは言いがたい」
──5月発表のFIFA(国際サッカー連盟)ランキングでは、日本の30位に対してモロッコが60位、ホンジュラスが62位でした。
「五輪は16か国参加なので、それなりの実力を持った国が集まってくるもの。ただ、スペインに次ぐ2位を狙うんだという目標は、定めやすいグループですね」
──前園さんが出場した1996年のアトランタ五輪は、ブラジル、ナイジェリア、ハンガリーと同じグループでした。
「組み合わせが決まった瞬間は、『マジかよっ!』って(笑)。ブラジルとナイジェリアと一緒って、そりゃないでしょって。ブラジルは2年前のアメリカ・ワールドカップで優勝していたし、ナイジェリアもその大会でセンセーショナルを巻き起こしていた。カヌー、オコチャ、ババンギダ、ヴェスト、アモカチとか、フル代表の選手が揃っていたわけですから。ヴェストなんてすごいディフェンダーで、どうやったら1対1で抜けるのって思ったし、アモカチをどうやって止めるのって」
──ほとんどフル代表のような顔ぶれですからね。実際にナイジェリアは、金メダルを獲得するわけですし。
「でも、組み合わせが決まってから少しずつ、あのブラジルとできるのか、あのナイジェリアとできるのか、そんなチームと真剣勝負ができるなんて、なかなかあることじゃない。これは楽しみだぞっていう気持ちが、大きくなっていきましたよ」
──現在のU-23世代からも、「スペインのような強い国と対戦できるのは楽しみです」という声が聞かれますね。
「僕らがオリンピックに出場したのは28年ぶりで、フル代表もまだワールドカップに出場していなかった。国際大会で日本はどれぐらいできるのかという物差しがなかった時代です。でも、いまの選手たちは世界を身近に感じることができている。五輪世代で、海外へ移籍している選手もいる。『楽しみにしている』というのは、素直な気持ちだと思いますよ」
──さて、グループステージをどう戦うべきでしょうか?
「スペインとの初戦が重要ですね。戦い方としては、もちろん勝ち点3を狙いにいくけれど、勝ち点1でもいいというスタンスになるのかな、と。グループステージ勝ち抜けを大前提として考えれば、僕なら勝ち点1でもオーケーと考えますね。かりにスペインに負けてしまうと、勝ち点はゼロ。そうなると、ホンジュラスとモロッコに決勝トーナメント進出が見えてくる。彼らのモチベーションが上がるのは間違いなくて、日本戦にかなり集中してくる。最低でもスペインと引き分けることで、ホンジュラスとモロッコに精神的なプレッシャーをかけたい」
「でも、組み合わせが決まってから少しずつ、あのブラジルとできるのか、あのナイジェリアとできるのか、そんなチームと真剣勝負ができるなんて、なかなかあることじゃない。これは楽しみだぞっていう気持ちが、大きくなっていきましたよ」
──現在のU-23世代からも、「スペインのような強い国と対戦できるのは楽しみです」という声が聞かれますね。
「僕らがオリンピックに出場したのは28年ぶりで、フル代表もまだワールドカップに出場していなかった。国際大会で日本はどれぐらいできるのかという物差しがなかった時代です。でも、いまの選手たちは世界を身近に感じることができている。五輪世代で、海外へ移籍している選手もいる。『楽しみにしている』というのは、素直な気持ちだと思いますよ」
──さて、グループステージをどう戦うべきでしょうか?
「スペインとの初戦が重要ですね。戦い方としては、もちろん勝ち点3を狙いにいくけれど、勝ち点1でもいいというスタンスになるのかな、と。グループステージ勝ち抜けを大前提として考えれば、僕なら勝ち点1でもオーケーと考えますね。かりにスペインに負けてしまうと、勝ち点はゼロ。そうなると、ホンジュラスとモロッコに決勝トーナメント進出が見えてくる。彼らのモチベーションが上がるのは間違いなくて、日本戦にかなり集中してくる。最低でもスペインと引き分けることで、ホンジュラスとモロッコに精神的なプレッシャーをかけたい」