INTRODUCTION
ビンラディンを追い詰めたのは、ひとりの女性だった― 9.11から10年、全世界を震撼させたビンラディン殺害。 本当は何が行われたのか──? 米政府が隠し続けた衝撃の真実、ここに解禁。 その瞬間、唐突かつセンセーショナルなニュースが、全世界を駆け巡った。2011年5月1日、ネイビーシールズによって、アメリカ同時多発テロ事件の首謀者ビンラディンが殺害されたのだ。人々は息をのみ、そして続報を待った。だが、全てが国家機密の極秘ミッションであり、その詳細が語られることは無かった。 9.11勃発から10年、誰がどんな方法で、ビンラディンの居場所を突き止めたのか? 作戦当日、隠れ家への突入から撤退まで、本当は何が行われていたのか? 誰もが知りたいトップ・シークレットに独自のルートで迫り、当事者たちから念入りに取材することに成功したのは、『ハート・ロッカー』の監督キャスリン・ビグローと、脚本家のマーク・ボール。同作でアカデミー賞を受賞した二人が、封印された真実を初めて白日の下に晒す、サスペンス超大作を完成させた。 ビグローとボールは、CIAのビンラディン追跡チームの中心人物が、若き女性分析官だったという驚愕の事実を掴む。だが、それは作戦の全貌への入口に過ぎなかった。その先には、最先端技術による情報収集、過酷な拷問、頭脳で闘うスパイ活動、法外な賄賂、そしてシールズ隊員による作戦が隠されていた。 完成まで数々の妨害が入り、米政府も先の大統領選への影響を恐れた衝撃作が、いよいよ世界へ発信される──! |
STORY
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9.11から数カ月後、忽然と姿を消したビンラディン。 尋問──ビンラディンに繋がる者全てを吐かせろ 2003年、情報分析官マヤ(ジェシカ・チャステイン)は、パキスタン・イスラマバードのCIA秘密施設に到着早々、チームのリーダーであるダニエル(ジェイソン・クラーク)の尋問に立ち会う。捕虜のアンマル(レダ・カテブ)は金の運び屋で、ダニエルはビンラディンの関係者の名前を吐かそうとしていた。マヤは気丈に振る舞うが、水責めに思わず目を背ける。 そんなマヤを見て不安を抱いたダニエルは、ブラッドリー支局長(カイル・チャンドラー)に彼女のことを「若すぎませんか?」と尋ねる。だが、ブラッドリーの答えは意外だった。「ああ見えて、冷血だそうだ」。 分析──ビンラディンの連絡員〈アブ・アフメド〉を捜し出せ 2004年5月29日、サウジアラビアで外国人を狙ったテロ勃発。アンマルから情報を聞き出せなかったことに責任を感じるダニエル。マヤの機転で二人は、アンマルの証言でテロを阻止したことにする。96時間の不眠に耐えられず告白したという嘘を信じたアンマルは観念し、ビンラディンの部下の名〈アブ・アフメド〉を教える。 膨大な量の情報と映像を分析したマヤは、〈アブ・アフメド〉と思われる男の写真を手に、ポーランドへ渡る。捕虜20名に見せ、彼がビンラディンとアルカイダNo.3のアブ・ファラジとの連絡員だという証言を得る。だが、ブラッドリーから本名も居場所もわからなければ、役立たずの情報だと一蹴される。 挫折──アルカイダNo.3逮捕、尋問で心が壊れるリーダー 2005年7月7日、ロンドンで地下鉄・バス爆破テロ勃発。マヤはパキスタンの情報局ISIの捕虜からも、〈アブ・アフメド〉がビンラディンの連絡員だという証言を得る。まもなくアブ・ファラジが逮捕され、チームは活気づく。だが、彼はダニエルの容赦ない拷問に屈することなく、尋問をかわしていく。やがてダニエルの方が異常な日々に心が折れ、ワシントンDCの本部へ帰ってしまう。 ダニエルが去った後、憑かれたように尋問と分析にのめり込み、ボロボロになっていくマヤ。2008年9月20日、心配したチームのジェシカ(ジェニファー・イーリー) が、マヤをイスラマバードのマリオットホテルに食事に誘い出すが、二人はそこで爆破テロ事件に巻き込まれる。 失敗──アルカイダ幹部の自爆テロでCIA局員7名死亡 捕虜への虐待が非難を浴び、オバマ大統領が拷問撤廃を発表、尋問から情報を得る道が断たれる。手詰まりのなか、アルカイダの幹部であるヨルダン人医師バラウィが、大金と引き換えならビンラディンを裏切るという情報が入る。 2009年12月30日、アフガニスタンのチャップマンにあるCIA基地でバラウィを待つジェシカから、「彼が来た」という喜びのメールを受け取るマヤ。だが、「やったね!返事待ってる」というマヤのメールに二度と返信は無かった。車から降り立ったバラウィの自爆テロでCIA局員7名が即死した。 絶望で動けないマヤに追い打ちをかけるように、「〈アブ・アフメド〉は俺が埋葬した」と語る捕虜の映像が届く。慰める同僚に「関係者を全員見つけてビンラディンを殺す」と宣言するマヤ。殺気に満ちた瞳には使命を超えた執念が宿っていた。 好機──〈アブ・アフメド〉の本名を入手 「何十億ドルも浪費し、死亡者を出した。殺す相手をここに連れてこい!」、テロ対策センターチーフのジョージ(マーク・ストロング)が、チームにカツを入れる。 徹底的に資料を洗い直した分析官が、CIAの要注意人物リストの〈アブ・アフメド〉に気づく。そこには本名〈イブラヒム・サイード〉まで記載されていた。リストを見落としたというあり得ない人為的ミスだ。が、マヤはその写真が、自分の〈アブ・アフメド〉の写真とは違うことに気づく。彼にはよく似た兄弟がいる。死んだのは兄の方ではないか? マヤはワシントンのダニエルに電話して、「サイード家の電話番号を調べ出して」と強引に頼み込む。 発見──〈アブ・アフメド〉が出入りする豪邸を特定 〈アブ・アフメド〉の母親宅の電話番号を入手したマヤは盗聴を始めるが、彼からの電話の発信場所を掴んでも、周辺に特殊部隊がいない。リーダーのラリー(エドガー・ラミレス)は人手不足だと出動を断るが、「友人が大勢死んだの。生かされた私が決着をつける」というマヤの言葉に胸を突かれる。 2010年5月1日、ニューヨークで爆破テロ未遂。ビンラディンよりも、目の前のテロ対策を重視するブラッドリーと激しく対立するマヤは、「狂ったのか」とブラッドリーが唖然とするほどの迫力で、「今すぐ私にチームをくれ」と詰め寄る。そのブラッドリーは、アルカイダ殺害を名目としたアメリカの空爆に怒ったISIにスパイだとリークされ、被害者からの脅迫を受けて帰国することになる。 一方でマヤの情熱に動かされたラリーのチームは、危険地域での無謀なまでの追跡を重ね、〈アブ・アフメド〉の車を特定する。さらに粘り強い監視を続け、遂に〈アブ・アフメド〉が出入りする、アボッターバードの豪邸を突き止める。 待機──ビンラディン潜伏の証拠を入手せよ CIA本部で、パネッタ長官(ジェームズ・ガンドルフィーニ)への報告会議が開かれる。ジョージの部下のスティーブ(マーク・デュプラス)が、模型を駆使して要塞のような屋敷と周囲の様子を説明する。後方から口を出したマヤに「おまえは誰だ」と問う長官。「屋敷を見つけたクソッタレです」と堂々と答えるマヤ。 無人偵察機が撮影した屋敷の画像の解析が続けられるが、証拠は何も挙がらない。屋敷発見から21日目、ジョージの個室のガラスに赤のサインペンで「21」と殴り書きするマヤ。その日からマヤは毎日、苛立ちを叩きつけるように数字を書き変える。ホワイトハウスは「大統領に証拠を見せろ」と要求するが、写真撮影も、住人たちのDNA採取も失敗に終わる。 突入──ネイビーシールズ隠密作戦の全貌 CIAはビンラディン捕縛作戦の準備に入る。実行部隊はネイビーシールズ、彼らを運ぶのは存在しないはずのヘリ、ステルス型ブラックホークプリンスだ。レーダーに映らないことは証明済みだが、一度も有人飛行はしていない。隊員たちは、マヤに不信感を隠さない。2007年の誤情報による作戦で、仲間が何人も犠牲になったからだ。 129日目が過ぎ、大統領への直訴を決めたパネッタ長官は、ビンラディン潜伏の確率をチームに尋ねる。大半が60%と答えるなか、「100%確実」と言い切るマヤ。今や冷徹な長官ですら、マヤの気迫に打たれていた。 2011年5月1日、シールズが待機するアフガニスタンの前戦作戦基地に乗り込むマヤ。疑う隊員にリーダーのパトリック(ジョエル・エドガートン)は、マヤの“自信”を信じると断言する。微笑むマヤの携帯電話が鳴る。ジョージだ。「真っ先に知らせたかった。今夜だ」。 マヤがコマンドセンターで見守るなか、2台のステルスが飛び立つ。世界一の精鋭部隊による、完璧な作戦のはずだった。だが──着陸30秒前、突如1台が墜落、爆音と共に家畜小屋に激突する! 息を呑んで立ち上がるマヤ。果たして作戦の行方は? 本当は何があったのか──? |
CAST & STAFF
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監督:キャスリン・ビグロー『ハート・ロッカー』『ハートブルー』 |
『ゼロ・ダーク・サーティ』 一般試写会へ10組20名様をご招待!
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■名称:『ゼロ・ダーク・サーティ』 一般試写会プレゼント |
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◆タイトル:ゼロ・ダーク・サーティ |