INTRODUCTION
先読み不能な事態に向かってアクセル全開。 二人の男+名車マスタングが絶品競演!性格が正反対の者同士が極限下で、奇妙な絆を育む――『ミッドナイト・ラン』や『メン・イン・ブラック』でおなじみの、そんなバディ・ムービーの系譜を正しく継承し、より苛烈なアクションを展開させたのが本作『ドライブ・ハード』だ。かたやミステリアスな強盗犯、かたや元レーサーの恐妻家。そんな二人がコンビを組んで、それぞれの目的のために疾走する。前者は旧敵への借りを返すために、そして後者は父親、夫としての尊敬を取り戻すために……。 陽光まばゆいオーストラリアのゴールドコーストを舞台に、手に汗握るカー・チェイスが展開。連邦警察のみならず、マフィアや殺し屋にも追われ、事態はさらに先読み不能なレベルへと到達する。シリアスなカリスマから等身大の人間像もこなす『2012』のジョン・キューザックと、タフガイだが好感度も高い『パニッシャー』のトーマス・ジェーンという演技派俳優たちの競演も魅力十分。“バディ”に扮し、強盗犯と人質から共謀者へと至る関係性の変化を体現した彼らの妙演は、まさしく絶品だ。バディ・ムービーの最新系が、ここにある! バラエティに富んだカーチェイス、怒涛の銃撃戦、そしてバディ・ムービーのユーモア! まず目を引くのは、言うまでもなくカーチェイスの凄まじさだ。海岸線を疾走し、市街地を猛スピードで駆け抜け、広大な畑の間の農道もぶっちぎる。パトカー軍団を必死にまき、追跡車を横転させ、急カーブも思い切りよく曲がりきるカタルシス。壮絶な銃撃戦を交えたダイナミックな見せ場。ノンストップで連ねられたアクションは、見る者の心を鷲づかみにして離さない。オーストラリア最大の保養地にして観光地、ゴールド・コーストの風景も陽性のノリを引き立てるに十分だ。 そして予期せずバディとなる、ケラーとロバーツの奇妙な絆がドラマを面白くする。かたや凄腕の犯罪者、かたや運転の技術以外はまるでダメな堅気の男。数奇な運命に導かれ、たがいを必要とすることになった彼らの力関係は、ドラマの中で状況に応じて変化し、スリルを醸し出す。一方で、国籍も境遇も異なる両者の噛み合わないコミュニケーションは妙味となり、ついつい笑ってしまうこと必至。奔走の果てに芽生える友情の逸話も静かにアツく、見る者のハートにじんわりとシミこんでくる。 |
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2大スターの火花散る競演、そして実力派のスタッフがここに結集! そんなドラマやアクションを盛り立てるのが、2大演技派アクターの共演だ。強盗犯ケラーに扮するのは『2012』等の大作から『ハイ・フィデリティ』等のマニアックな傑作まで幅広くこなしているジョン・キューザック。状況を支配する切れ者ぶりを体現しつつ、カリスマ性を漂わせた妙演に目を奪われるに違いない。一方のロバーツに扮するのは『ディープ・ブルー』や『パニッシャー』で熱演を見せたトーマス・ジェーン。タフガイの印象が強い彼だが、今回の役はドライビング・テクニックに長けている以外は三枚目に近く、予期せぬ展開に慌てふためく姿をユーモラスに演じて新境地を開拓。この2大俳優の駆け合いは、まさしく絶妙で、“押し”と“引き”の間合いを心得た演技派の妙技を存分に味わえるだろう。他、『サティスファクション』のイエッセ・スペンス、オーストラリアでの舞台経験が豊富なゾーエ・ヴェントゥーラといった美人女優の熱演も大きな見どころ。 また、監督のブライアン・トレンチャード=スミスは、古くは『スカイ・ハイ』『BMXアドベンチャー』、最近ではアカデミー賞俳優キューバ・グッディングJr.主演の『ダブル -完全犯罪-』等で才気を発揮してきたオーストラリアのベテラン。小気味よい演出に定評のある彼が、その持ち味を遺憾なく発揮し、目の離せないエンタテインメントをきちんと成立させているのだから、まさに職人芸と言えよう。その盟友である女流脚本家ブリジット・ジーン・アレンの脚本はディテールを丁寧に押さえており、これまた素晴らしい仕事ぶりを見せている。才能のあるキャストとスタッフがドラマを生み出した以上、それが快作となるのは必然的。バディ・ムービーのファンや、アクション好きならずとも必見の注目作が、極寒の日本をアツくする! |
STORY
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全てから追われるハメになった男たち。 そんなある日、彼の下にオーストラリアの運転免許を取得したいという米国人ケラー(ジョン・キューザック)が訪ねてくる。ケラーの正体は実は凄腕の犯罪者。教習の途中で銀行を襲撃して無記名債権を盗み出すことを苦もなくやり遂げる。ロバーツの最大の災難は、そんなケラーの共犯者と思われ、逃走を手伝ったドライバーとして指名手配されてしまったこと。ケラーは「10億円の証券のうち、彼を無事に目的地まで送り届ければ3億6千万円の分け前を与える。」とロバーツに提示する。警察に無実を訴えたくても、それを証明できるのはケラーだけだ。かくしてロバーツは、かつてのレーサーとしての本領のスキルを発揮フル活用してパトカー集団をまき、ケラーとともに必死の逃走劇逃亡を繰り広げる。しかし彼らを追うのは連邦警察だけではなかった。 市警の警部はある目的から独自の追跡を開始し、マフィア銀行家が雇った殺し屋も二人彼を執拗に追ってくる。さらにケラーが奪った大金を狙い、欲に憑かれた者たちまで現われるのだから、事態は混戦状態緊迫化への一途をたどる。やがて明らかになるケラーの真の目的とは? そしてロバーツは生きて妻子のもとに帰れる戻れるのか? 人生のすべてを賭けて、男たちはそれぞれの死闘に臨む! |
CAST & STAFF
『ドライブ・ハード』 |