INTRODUCTION
“真のファッション映画登場”FASHIONISTA 世界を魅了する老舗ファッション・ブランド クリスチャン・ディオールのオートクチュール・ パリ・コレクションまで8週間の舞台裏に迫るドラマティック・リアル・ストーリーの誕生 2014年4月、ニューヨークのトライベッカ映画祭のオープニングを飾った『ディオールと私』。“真のファッション・ドキュメンタリーついに登場”(NYMg)と評価を受けた本作がいよいよ日本公開となる。多くのハリウッド・スターたち、世界のセレブたちが豪華なオートクチュール・ドレスを身に纏い、レッドカーペットを歩く姿は美しく、エレガントである。そのきらめく美しさを演出するドレス、画面に短い時間映し出されるそのドレスがつくり上げられる舞台裏は、デザイナーとお針子たちの誇りと情熱にあふれていることを本作は教えてくれる。 2012年7月2日、パリ。ディオールの秋冬オートクチュール コレクションの発表は世界のファッション関係者から注目を集めていた。新しく就任したアーティスティック・ディレクター、ラフ・シモンズの初コレクションがどのような展開になるのか固唾をのんで待っていたのだ。ベルギー出身、ミニマリストとして知られるデザイナーがどのようなドレスをランウェイに出してくるのかを・・・。 8週間前、パリ、モンテーニュ通り30番地、ディオール本社の最上階にまるで宝物のように大事に置かれているアトリエで、ラフ・シモンズ率いるデザイナーたちに紹介されたのは105人の経験豊かなお針子たち。12のコンセプトのもと、150以上のスケッチがデザイナーたちによって描かれ、生地が選ばれ、そして縫い上げられ、40年以上の経験を持つ職人たちの手により54体のオートクチュールが完成していく。ランウェイに出る直前まで最善の注意が払われ、100万本の花に囲まれた会場にモデルたちがエレガントなドレス姿で歩き出す---。世界を魅了するドレスたち、それは一着のドレスが完成するまでに一日一日の作業を丁寧に積み重ねていく人々の熱意が紡がれているからこそである。 1947年にクリスチャン・ディオールのメゾンが設立されてから65年、初めて映画のカメラが入ることを許され、撮影をしたのはフレデリック・チェン監督。昼夜を問わずラフ・シモンズ、お針子たちを追い、彼らの緊張、心配、疲労、そして歓喜の姿を撮影していく。映し出される貴重な映像はディオールの宝というだけでなく、クリエイティブに携わる人々、ひとつのプロジェクトを完成させるという同じ志をもつ人々にとって必見の映像となっている。そして監督自身、クリエイターのひとりとして彼らへの敬意をこめて撮影に挑んだのである。 |
STORY
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2012年、空席になっていたディオールのアーティスティック・ディレクターにラフ・シモンズが就任するとの発表は、ファッション業界を驚かせた。ラフ・シモンズはベルギー出身、自身の名を冠した男性ブランドの展開、ジル・サンダーでのデザイン担当などで活躍していたが、“ミニマリスト”として認識され、知名度も低く、何よりもオートクチュール界での経験が皆無であったため、この予想外の抜擢は業界の注目を集めた。コレクションの準備には通常5~6か月の期間が必要とされているにも関わらず、ディオールでの最初のコレクションまでに、彼に与えられたのはわずか8週間。 |
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コレクション発表のコンセプト、デザインが決まっていく中、ラフ・シモンズは、1940年~1960年の織り方で“アンプリメ・シェンヌ”(ワープ・プリント)と呼ばれるものを発見。これは、織る前の糸にプリントするというもので、彼はこの技術を使ってアメリカの抽象画家スターリング・ルビーの絵画を洋服の上で再現しようとする。しかし、織物業者はこの縮尺でのプリント経験がない上、時間もないと難色を示す。ファブリック・コーディネーターのナディーヌは、ラフ・シモンズが作品に注ぎ込もうとするディオールへの思い、芸術への情熱を理解しつつ、織物業者の職人たちを説得し、これまでにない生地を完成させる。オートクチュール作りは独創的なデザイナーと同じように熟練の職人たち、そしてディオールで働くすべてのスタッフにとっても常に挑戦なのである。 |
CAST & STAFF
監督・製作 フレデリック・チェン |
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『ディオールと私』 |