INTRODUCTION
モナコ公国存亡の危機を救うため、策略に満ちた国際舞台で、生涯一の<難役>に挑んだプリンセスの知られざる感動の物語 2014年5月、カンヌ国際映画祭は、史上最高と言っていいほどの豪華な幕開けを迎えた。21世紀のハリウッドスターの代名詞であるニコール・キッドマンが、20世紀の美のアイコンにして伝説のオスカー女優グレース・ケリーを演じるという、贅沢を極めた話題作がオープニングを飾ったのだ。 まさにそのカンヌで、モナコ大公レーニエ3世と出逢って恋におちたグレースは、彼のために華々しいキャリアのすべてを捨てた。二人が結婚に至るまでの道のりは、現代のおとぎ話として今も語り継がれている。 だが、本作が描くのは、甘い夢物語ではない。時はロイヤル・ウェディングから6年後、グレースはいまだ王室のしきたりに馴染めずにいた。自分の居場所を見失ったグレースが、ヒッチコックからのハリウッド復帰の誘いに心を動かされたとき、モナコは最大の危機に直面する。フランスが過酷な課税を強要し、従わなければ「モナコをフランス領にする」という声明を出したのだ。 アメリカとヨーロッパ諸国を巻き込んだ、激しい国際政治の駆け引きのなか、グレースは自らモナコを救う“脚本”を書き上げる。外交儀礼からフランス語、話し方や微笑み方まで、厳しい特訓を受けて完璧な公妃の“役作り”を完了し、シャルル・ド・ゴール仏大統領を含む世界各国の指導者を招いたパーティという“舞台”を用意。そこでグレースは、“一世一代の大芝居”を演じ切ろうとしていた。果たして“監督”グレースがクライマックスに用意した、運命を握るスピーチとは? 知られざる感動の物語が今、ベールを脱ぐ─! |
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STORY
敵か、味方か─? 遠くアメリカから独り異国へやって来たグレースは、完全に孤立していた。夫のレーニエは公の場でのグレースの発言に神経をとがらせ、激しく叱責する。側近も何かと反抗的で信用できないし、共に赤十字を運営する伯爵夫人からもよそ者扱いされる。ヒッチコックが変わらぬ友情を示すが、内密のはずのハリウッド復帰が漏れる。オペラ歌手のマリア・カラスは親友だが、自分の利益しか考えない大富豪のオナシスの愛人だ。唯一の頼りだった相談役のタッカー神父はアメリカへ帰ってしまう。いったいグレースは、誰を信じればいいのか─? |
CAST & STAFF
グレース・ケリー:ニコール・キッドマン |
『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』 |