INTRODUCTION
私たちには、忘れてはいけないことがある── 想像してみてください。 ある日突然、故郷を奪われた人々がいることを──。 子どもたちの涙、大人たちの叫び、二度と故郷に帰れない悲しみ。 豪華キャストと日本アニメーション界屈指の実力派スタッフで描く 活き活きと豊かなアニメーション |
STORY
“カンタ、日本に帰ろう” 1945年春。北方四島のひとつ、色丹島。戦時中ということを感じさせない、美しく穏やかな島だ。ここに、防衛隊長を務める父の辰夫、漁師である祖父の源三とともに、健やかに暮らす10歳の兄・純平と7歳の弟・寛太がいた。2人の名は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のジョバンニとカンパネルラから名付けられた。亡き母が大好きだった物語で、父はいつも二人に朗読させていた。しかし、そんな日々は、8月15日の終戦によって、大きな変化を迎える。 砲声を鳴り響かせながらあらわれたソ連の戦艦。島に上陸する大勢の兵士たち。島民の財産は容赦なく奪い取られ、重要な産業である漁も禁止に。ソ連の人々によって住居を奪われた島民たちは厩舎などに追いやられ、学校では日本とソ連の子供たちの教室が並ぶという事態に。しかし、大人たちの事情とは関係なく、子供達は自然と心を通わせていく。そのソ連の子供達の中に、ターニャという名の、まるで西洋人形のように美しい少女がいた。純平と寛太は、ささやかなきっかけで彼女と知り合い、親交を深めていくのだった。 そんなある日のこと。いつものように連れ立って遊んでいた3人は、山の奥の洞窟に隠された日本軍の膨大な物資を、辰夫が密かに運び出している場面を目撃してしまう。それがきっかけとなり、辰夫はソ連兵に連行され、シベリアの収容所へと送られてしまう。ターニャの父親がソ連軍の将校であると知った純平は、彼女の密告が父を奪い去った原因だと責めたてる。また、残された一家にも日本本土への強制帰還命令が下る。それを受けて源三はひとり、漁師としての生き様をまっとうしようと海へ漕ぎ出し、純平と寛太は本土への中継地である樺太へと運ばれるのだった。 貨物船による旅路は極めて過酷で、また、樺太に到着してからの生活も、寒さと餓えに耐えなければならない、辛く苦しいものだった。純平も寛太も弱りきり、もはや限界を迎えるのは時間の問題。そこに叔父の英夫によって、辰夫の居場所が判明する。 「お父さんのところへ行く。ぜったい行く」 切実な想いに突き動かされ、兄弟は収容所を抜け出すことを決意するのだった。 2人の行く末は、果たして――。 |
CAST & STAFF
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今だからこそ、世界中に伝えたい――心揺さぶる実話をもとにした感動の物語 原作・脚本は、TVドラマ「北の国から」の演出や、映画『最後の忠臣蔵』の監督で知られる杉田成道。音楽<メインテーマ>を手がけるのは、さだまさし。アニメーション制作は、『攻殻機動隊』シリーズを手掛け、国内外で高い評価を得るProduction I.G。監督は、西久保瑞穂。そしてキャラクターに息を吹き込むのは、市村正親、仲間由紀恵、柳原可奈子、ユースケ・サンタマリア、犬塚弘、八千草薫、仲代達矢、北島三郎ら、といったキャラクターのイメージにピタリと合った豪華アーティストたち。過酷な運命に翻弄されながらも誇り高く生きる人々を、力強く演じている。 どんなに時代が変わっても決して忘れてはならないことを、今を生きる大人たち、そして未来を生きる子どもたちに伝えたい――そんな想いから、日本音楽事業者協会創立50周年の節目に、アニメーション映画『ジョバンニの島』を贈ります。 原作・脚本:杉田成道(「北の国から」シリーズ、『最後の忠臣蔵』) 脚本:櫻井圭記(「攻殻機動隊 S.A.C.」「お伽草子」) 脚本協力:池端俊策(「太平記」「優駿 ORACION」) 音楽(メインテーマ)さだまさし(『精霊流し』『解夏』) キャラクター原案:福島敦子(「アタゴオルは猫の森」「ポポロクロイス物語」) キャラクター設定・作画監督:伊東伸高(「四畳半神話大系」) 色彩設計:遊佐久美子(「宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-」「イノセンス」) 車輌設定:荒川眞嗣(「風人物語」) 美術設定:岩熊茜(「よんでますよ、アザゼルさん。」) 小物設定:海島千本(「ブラック・ブレット」) 総美術監督:Santiago Montiel(「Noximilien the Watchmaker」「Wakfu」) 美術監督:林孝輔(「グスコーブドリの伝記」松本零士「オズマ」) 稲葉邦彦(「時をかける少女」「魔法少女まどか☆マギカ」) CG監督:井野元英二(「攻殻機動隊 ARISE」「コードギアス 亡国のアキト」) 撮影監督:中田裕美子(「テイルズ オブ イノセンス R」) ビジュアルエフェクト:江面久(「スカイクロラ」「イノセンス」) 齋藤瑛(「スカイクロラ」「イノセンス」) 編集:植松淳一(「ももへの手紙」「攻殻機動隊S.A.C.」) 演出:橘正紀(「東京マグニチュード8.0」「.hack//Quantum」) 監督:西久保瑞穂(「宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-」「アタゴオルは猫の森」) |
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『ジョバンニの島』 |