NNNドキュメント放送後のお問い合わせについて
パートタイム教授、奥田健次@長崎県です。
無事に(?)本日、長崎県臨床心理士会の一日研修を終えることができました。懸念した通り、アレルギーと喘息の咳がコンコンと出てしまって、すんませんでした(>_<) 大人の喘息はつらいですねぇ。
さて。
まもなく番組が放送されるのですが、前に出たバラエティー番組(朝日放送、ビーバップ!ハイヒール『メリットの法則』)でも番組放送中から番組終了後しばらく、うちのブログやホームページのアクセスが激増します。パソコンを操作しながらテレビを見ている人が多いってことなのでしょうね。まあ、おれもそうやけど。
プロフィールとか、やたらとチェックするのは出自に興味がある日本文化なんでしょうが、うちは明治維新前までは結構ええんちゃうかったのって感じやけど、明治維新後、没落してますからねぇ。
バラエティー番組出演の時は、2ちゃんねるとかツイッターで実況中継っぽく書かれたみたい。両方とも、おれはやってないので、うちのスタッフらが見つけてプリントアウトしてくれたんですが。まあ、9割方は悪口雑言でした(笑)。しかし、そのほとんどは残念ながらうわべの印象だけで語られているので、何のダメージも無かったです。むしろ、真面目に批評しようとしている人のほうが痛い感じでした。分かってないのに分かったフリしてるのが痛い感じで、笑っちゃいます。
むしろ、おれが芸人さんに「ええかげんにせんと、先生、しばくよ!」と突っ込まれたときに、「しばかれろw」「芸人でもないのに調子に乗んな」みたいに書き込まれていたのは、ハートフルかつユーモラス。
さてさて。少し真面目に。
今回のドキュメント番組を見て、また反響は大きいでしょう。特に、真剣に「うちの子をみて欲しい」というニーズ。こちらについては、先月すでにこのオフィシャルブログにて、あらかじめ放送後の反響を予測して書いています。主要部分を引用します。
(1/14記事 テレビ出演後の仕事の依頼について)
それで、あらかじめ申し上げておきたいのですが、テレビに出演すると仕事の依頼が殺到します。増える、ではなく、嵐のように殺到します。ホームページやブ ログにしても、良いのか悪いのか分かりませんが、アクセス数が桁違いに跳ね上がります。まあ、確かに数百万人レベルの人がご覧になるので、そりゃ影響力は あるでしょう。
それで、一番困るのは放送後の仕事の処理です。
特によくあるのは「番組を見ました! ぜひうちの子を見て下さい! 困ってます! 助けて下さい!」という切実な感じの申し込み。切実だろうとは思うので すが、番組を見たからって「うちもお願いしたいな!」というのでは困ります。自分としては有名になろうとか金を稼ごうと思ってやってませんので。
楽しく、気持ち良く仕事ができるかどうかだけです。
現時点での仕事の依頼すら、20件に1件くらいしか返信できていません。
一応、あらかじめ申し上げておきます。ホームページにも書いていますが、教育相談の開始について。
・開始年齢(申込時の生活年齢)5歳4歳3歳未満
上記をクリアしていない申し込みが半数以上です。少しでも開始年齢を早めたいので、本来ならば4歳未満で年齢が小さければ小さいほどお引き受けしやすいです。5歳以上のお子さんや成人については、この記事の下のほうに別の方法を述べます。(追記)申込が増加しているため、現在、開始年齢3歳未満にしています。2歳以下のお子様を優先しています。
・あれこれ条件をつけないこと
「他にどなたか仲間がいればやりますが」というのは受けられません。こちらから紹介することはあるかもしれませんが。
・指導に従うこと
当たり前ですが、全面的に従っていただきます。およそ普通の親がやってしまうことの真逆のことを提案します。「自分のやり方が否定された」と受け止めるタ イプの親御さんは申し込まないで下さい。むしろ「自分はきっとついつい子ども可愛さのせいで誤った対応をしているに違いないから正してもらわねば」とお考 えの方でないと長続きしません。
その他としては、やはりそれなりに費用はかかります。「高すぎる」と思われる親御さんや専門家くずれは、交通費や宿泊費を計算してみて下さい。そして、ご 自宅まで訪問する場合にかかる軽井沢からの往復時間を考えてみて下さい。片道6時間かかるところに出張する場合、1往復するのに12時間かかります。相談 の時間を入れると13時間です。スクールカウンセラーが学校でのんびりバイトしている時給よりも安いし、場合によっては居酒屋でバイトしている高校生の時 給くらいになることもあります。海外出張の場合は、利益なしか赤字になることすらあります。
しかしながら、こちらは負担される親御さんの側のことも考えています。1回の教育相談で劇的に変わるものを提供しなければならないというプレッシャーで、 もう十数年やってきました。おかげさまで、確かにその通りの成果を上げてきました。そうでなければ、昨今、いくらでも地元にABAの塾みたいなものがあり ますから、みなさん地元の教室に行くでしょう? それでも、なお自分は相変わらず全国各地からお呼びがかかります。ドキュメント番組放送後も、そういう 方々への指導は変わりません。
(引用、ここまで)
特に年齢の大きな子について、それでは何もできないしやらないのかというと、そうではありません。そのことも、同じ日の記事で触れています。
(引用、続き)
来月の番組放送後にも断っておくことになるでしょうが、あらかじめこのように先に申し上げておきます。ほとんどの申し込み依頼について、お返事すら出来な いと思います。ごめんなさい。上に掲げたことをクリアしていて、なおかつ熱意が伝わった場合に、ようやくお会いすることが叶うかもしれませんが。
・開始年齢オーバーしている方
番組でもそういうお子さんが登場してきます。しかし、ご覧頂ければ分かりますがそのシーンは学校との契約で学校コンサルテーションによる支援が実現してい ます。開始年齢がオーバーしている子や成人でも、大幅に行動は変わります。こちらに直接申し込まずに、学校や自治体などにコンサルテーションの予算を付け てもらえるように働きかけてみてはどうですか(テレビでご覧いただけるように実現している学校が実際たくさんあるのです)。うまくいけば親御さんの経済的 負担もゼロじゃないですか。もしくは、精神病院に入院しているなら病院に働きかけて。福祉施設に入所しているなら福祉施設に。それら専門機関から仕事とし てお呼びがかかれば、そこに指導に行くことはできます。それなのに、「小学校の高学年で家庭暴力が始まった、入院させるのは可愛そう、施設入所もまだ踏み切れない」という方が少なくありません。こういう方の相談には一切、応じていません(おれの本を全部読んだのか!と)。
(引用ここまで)
ここまであらかじめ書いているのですから、どうぞ対応しきれないことをご了承下さい。可能性がありそうな方は、ホームページの「お問い合わせ」と「よくある質問と回答(FAQ)」を熟読して下さい。
それから、費用について。パッと見、「高い」と思われるかもしれません。特に、同業者にこそそういうことを言う人がいるようですが、交通費と日当の計算も出来ない人たちなのでしょう。出張の日当については、弁護士の日当の最低額と同等、場合によってはそれ以下になることもあります。例えば、片道4時間かけてご自宅へ訪問した場合、往復で9時間の仕事となります。
一般の企業とは違うので、宣伝目的はゼロ。おれ、身一つでやってるからね。あるとしたら、本が売れるくらいでしょう。実際、うちに問い合わせる前に、本くらいは読んでおくのが作法みたいなもんやと思います。最低限の事前準備。
手前味噌ですが、新著『メリットの法則−行動分析学・実践編』(集英社新書)。これは777円ですし、書店ですぐに手に入ります。衝撃的な事例からスタートし、新書なので最後まで読み切れます。一般の子育てについては『叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本』(大和書房)も読みやすいロングセラー。子どもの「鼻くそをほじる癖」を、真面目にスキルレベルで書いていて、笑いながら読めます。『子育てプリンシプル』(一ツ橋書店)には、家族のありようについて書いてますし、そこでチラっと、おれのろくでもないボロ雑巾のような幼少期のことも紹介してます。
そして、実際に自閉症関係の保護者や支援者については、『自閉症児のための明るい療育相談室−親と教師のための楽しいABA講座』(学苑社)は、他の教科書にはない構成になっています。今回放送されるNNNドキュメントに、多分、小林重雄先生も出てこられるようです。放送内容に興味を持った方は、この本の著者二人が出てくるわけですので「読んでません」なんてことにならないように願います。
まあ、こんな感じで本を宣伝してるのは、相談や講演の申し込みの前に超えていただくべきハードルです。このハードルをクリアしていないのに、さらっと申し込んで来る人が結構いますが、すみませんがご遠慮下さい。
というわけで、一般企業とは違うスタイル。「来る者は選別し、去る者は追わず」かな。伝えたかったことは、ニーズのある方に「何も出来ない」なんて思って欲しくないってこと。少しでも早く地元の支援者を見つけていただきたいです。直接の支援は限られていますが、間接的な支援はやってます。支援者・指導者を指導していますので、それで少しでも学校や支援機関のレベルが向上すればと。
放送される部分は、自分としてはフツーです。誰にでも出来て当然のこと。カットになった部分(これは仕方のないことですが)で、確かに大胆で強烈で誰も思いつかない指導を繰り出しているのですが、それはエグい話なので、当初から「使わない」「使えない」「使わないほうがいい」ということでした。
したがって、放送される部分は自分としては、ほんの5%くらいのもの。パネルクイズアタック25でいうところ、最後に5枚くらいしかパネルを外さずにVTRクイズの答えを考えるようなもんですよ。
テレビというメディアの限界。出版物なら諸種の制限が下がるので、大胆かつ強烈なのをお知りになりたければ『メリットの法則−行動分析学・実践編』(集英社新書)とか、『自閉症児のための明るい療育相談室−親と教師のための楽しいABA講座』(学苑社)をお読みになって、ご参考になさっていただければと思います。
前の記事の引用が多く、長文になってしまいました。明日からはまた超ゆるい系の記事を書きます。
奥田健次
4歳のアスペ系(知能検査では高知能)娘を持つ医師です。今日が初めて先生のHPを読む機会でしたが、すでに、{恩}著は3冊とも持っております。ヒステリー性歩行障害に行動分析的アプローチが有用でした。心理分析はあえて行いませんでした。
心理分析は無力・有害であると私の尊敬する精神科医が仰っていて、非精神科の臨床でも、そう感じることが多い所です。彼は、十分な睡眠と環境調整すること、身体疾患を鑑別することで殆どの{精神的問題}は快方に向かう、真正の疾患以外に余計なカウンセリングや投薬をするな、というひとでした。しかし、まだ何か足りない、と、臨床およびムスメを見つつ探っていて、行動分析(奥田先生の)に出会いました。
心理分析で行われている循環論、理系は気づかず、国家的規模の金の無駄遣いをしている気がします。
出張費(笑)の問題、某横浜の発達専門クリニックの外来一日30万(検査するだけ)に比べたら、屁みたいなもんです。むしろ今のシステムではお体が心配ですので、お大事に。
録画していた番組をやっと見ました。
そして、奥田先生を初めて知りました。
私の息子は3歳6ヶ月自閉症です。
偏食も激しく言葉もまだ出ません(泣)
がスローテンポで日々成長しています。
奥田先生の本は興味深いです、読ませていただきます!
10代から引きこもって今年40歳になります。「殴られて育ったのも、だからこうなったんじゃなくて、今いきてる」と仰っているのを聞いて、いじけている自分がみっともなくて泣きそうになりました。過去は変えられないけど、過去の意味づけは変えられるんですよね。この状況をすぐに変えていくことは出来ないかもしれないけれど、まず、いじけるのは今日からやめることにします。なんか、久しぶりに元気でました。少し前向きな気持ちになれました。感謝!です。
たまたま子供のことで手がかかりゆっくりするのが夜中になり、偶然、番組を観ました。
子供が発達障害を持っていますす。かなり軽度のようです。
その、「ちょっと違う」所にずっと悩んでおり、どう育てていいか、子供の将来が不安、そして自分も母親として未熟で毎日毎日落ち込んでいました。
いけないと思いながらもいつも子供にヒステリーを出し手を上げ、最近は自分がカウンセリングを受けなければいけないかもしれないと思い、主人も、「いつか子供を殺してしまうのではないか」と私を心配していていたそうです。
放送を観て、すぐ本を購入しました。「叱りゼロ~」です。
今までの私のヒステリーはなんだったんだろう。
2日で効果が現れました。
ビックリしました。
この本を読んで、私も心が救われました。
結局行き着くところはすごくシンプルで、本に教えなられなければいけないなんて!と情けなくなりました。
読みがらずっとスミマセン、スミマセンと謝っていました。
今までの本は難しかったり、悟りをひらけというのかと、ますます自分を落ち込ませる内容で自信を無くしていましたが、これから頑張っていけそうです。
ひとことお礼が言いたかったです。
ありがとうございます!
ありきたりな言葉ですが、お仕事、頑張ってください!!
お体、大事になさってください!!」
はじめまして。
深夜の番組を拝見させて頂いて、こちらのブログにたどり着きました。
番組を拝見させて頂いて、私自身何ができるかをずっと考えており、とりあえず今「メリットの法則」を読み始めた所です。
私には専門知識はありませんし、自閉症の子供との接点もありません。
もし接点があったとしても番組を拝見しただけで奥田先生の真似事をするのは恐ろしく思うので、まずは学ぶことからだと思っています。
ネットで自閉症について少し検索していますが、「?」なのは、自閉症の子供は特別なのか?ということです。
私から見ればみんな病んでる部分も素晴らしい部分も持ち合わせていて、人間自体が矛盾した生き物だと思うんです。
それを踏まえれば、特別でもなんでもない。ただサポートが必要なだけだ、と思うんです。
マイノリティーであり社会とのコミュニケーションがうまく取れないという部分で、自閉症であることは生きていく上での困難はあるでしょう。
しかし誰もが幸福になる権利がある以上、排除ではなくサポートをすることは当然のことであり、それは大きな意味で誰もが生きやすい社会を作れていくことに繋がるのではないかと思うんです。
ですから自閉症の子供の為にやるのではなく、皆が自分自身の為にやるべきこととして捉えれば、もっと状況は変わっていく気がします。
偽善でただ「助けてやっている」という考えでなく、ちゃんと今の社会に対して自分自身の為に戦うこと。
その「覚悟」が必要ですね。
番組を拝見して先生のその「覚悟」に感動し、私自身もそうでありたいと思うんです。
長文失礼致しました。